オープニングにスタッフ・キャストが出る今時珍しい作品。
その所為もあってか、70年代のクライムアクションのムード満点。
オマケに画面がザラザラしているのもさらに雰囲気を盛り上げている。
そのオープニングのシークエンスで、
主人公が、ギャングの資金洗浄をしている一部始終を画で見せてくれるのが、
さらに気分を盛り上げる。
当たり作品の予感満点。
ところが、主人公が相棒の口車に乗せられドラッグの取り引きに手を出し、
警察に追われて、カークラッシュを起こして記憶喪失になる。
ココまではかなり楽しめる。
が、主人公が記憶喪失になってから、
汚職警官とギャング団に追われる羽目になってから、
急速に物語が失速する。
急にダレ場が多くなる。
観ながら考えたのだけれど、良く分からなかった。
ホンの所為か?
演出の所為か?
編集の所為か?
追われている方にも追っている方にも、どうにも緊迫感が足りないのだ。
両者に切羽詰まった感じがない。
ホントはグングンと右肩上がりでドラマが盛り上がる筈なのに、
何故か淡々とフラットに物語が展開する。
本筋と関係ない余計なエピソードが多いのかも…。
で、後半、また、盛り返す。
急激に盛り返す。
何かヘタな脚本家が書いたヘタな脚本のサンプルの様である。
オープニングとエンディングは思い付いたけど、
肝心の中身が思いつきませんでした。
ので、無理矢理書きました的な。
映画はコノ真ん中が面白くなくちゃね。
画作りは結構凝っていて、面白いカメラアングルもあったりするのだけれど、
肝心の中身がねぇ…。
エンドロールを、観ていたら、16ミリカメラで撮ったって書いてありましたね。
ザラザラした画はその所為だったのですね。
そんなワケで、画は、結構凝ってるンですけどね。
中身がねぇ…。
何か惜しい気がします。