みんと

十日間の不思議のみんとのレビュー・感想・評価

十日間の不思議(1971年製作の映画)
3.8
アメリカのミステリー作家エラリイ・クイーンの原作をクロード・シャブロル監督が映画化。

いわゆるお屋敷ミステリー。謎めいた一家に隠された秘密が引き起こす事件の行方を描くいて行く…

記憶喪失の青年を「サイコ」のアンソニー・パーキンス、威圧的な父親をオーソン・ウェルズが演じ、事件の真相を探る探偵のポジションには大学教授ミシェル・ピコリ。キャストだけで面白い要素しかない。

今作での冒頭の掴みはパーキンスを捉えた映像の異様さでガッチリ!不気味さの演出が素晴らしかった。
そして若き後妻役マルレーヌ・ジョベールの甘ったるい喋りが独特だし耳について離れない。
…スケジュールの都合で断念したと言うカトリーヌ・ドヌーヴだったら印象が違っただろうなぁ…と思うとかなり残念だけど。

クライマックスはオーソン・ウェルズVSミシェル・ピコリ、静かな対決に息を飲んだ。と言うかオーソン・ウェルズの顔力のインパクト!凄すぎてピコリの存在感はすっかり消され、もっと言えばそれまでの内容が吹き飛ぶくらい。笑

唯一気になるのは、純粋なフランス映画にもかかわらず言語が英語なこと。そのせいもあってか、シャブロル監督自身は「失敗作」と位置付けしているらしい。

個人的には面白かった。けど、原作を読んでたら更に楽しめた気がする。
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