ゆ

血の婚礼のゆのレビュー・感想・評価

血の婚礼(1973年製作の映画)
3.5
閉ざされた小さな町の中で起こるサスペンスミステリー。
シュテファンヌ。不倫から波紋が広がるブルジョワの悪事。
お城の中の情事。ピクニック感覚。
欲に溺れた女豹のような女の顔。
政治家の妻として甲斐甲斐しく振る舞う社会的女性の顔。
聖母であり無邪気な共犯者のような母親の顔。
色んな顔を自然に使い分けるシュテファンヌ。
一方ひとり娘のエレーヌの乾いた感情と思春期特有の残酷さにとても惹かれた。
「私も(お葬式に)行っていい?死人を見てみたいわ」
敏感に母の嘘を感じ取りつつ母の本当の幸せを願うエレーヌの眩しいほどのまっすぐな心は、一筋の光となりシュテファンヌの汚れた心を白く焼くのだった。
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