「しんちゃん、好きよ」
明確に敵と言える存在が登場しない作品。
落書きたちがみんな良いデザイン、良いキャラ。負けを悟ると潔く白旗を上げるのがなんか良かった。特に気に入ったのは偽ななこ。ハードボイルドでカッコいい良いキャラだった。彼女の悲哀はロボとーちゃんを彷彿とさせる。
オリキャラのユウマくんも結構好き。薄情な大人達に喝を入れるシーンは、レギュラーキャラにはできない良いシーンだった。
「オラはもう誰ともお別れしたくないゾ!」は、毎度毎度映画で大切な人たちと別れてきたしんのすけが言うからこそ重みのある、良いセリフだった。本ッ当によう言うた。お股のおじさん、つばきちゃん、ロボとーちゃん…聞いてますか?
主題歌も最高。今作のEDとして、曲調・歌詞共に完璧。「君のその落書きもいつか誰かの宝物」って、映画の内容ともレキシモチーフの鳥獣戯画とも普遍的なテーマともマッチしてる素晴らしい歌詞。
ただ、ちょいちょい気になるところもあった。かすかべの民が愚かさを露呈させるシーンは話の都合とは言えちょっとやりすぎ感あったし、物語の落とし所がアレで良いなら初めから侵略行為なんかせずに真摯にお願いしてたら良かったのでは…?