MasaichiYaguchi

リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイスのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

4.1
アメリカ西海岸を代表する歌手リンダ・ロンシュタットの半生を描き、第63回グラミー賞で最優秀音楽映画賞を受賞したドキュメンタリーを観ていると、登場する楽曲と共に学生時代が蘇る。
このドキュメンタリーでは、リンダ本人がガイドを務め、アリゾナ州で過ごした幼少期から歌手としての成功までの軌跡を辿っていく。
デビュー当時から絶頂期のパフォーマンス映像や、ホームビデオ、舞台裏写真など貴重なアーカイブ素材に加え、ドリー・パートン、エミルー・ハリス、ボニー・レイット、ジャクソン・ブラウンら友人や共演者のインタビューや、現在パーキンソン病と闘病中の彼女が父親のルーツであるメキシコを訪れ、家族と共に歌う姿も収録されている。
リンダの歌唱力の高さは当初より感じていたが、本作を通して、彼女があらゆるジャンル、オペラ、ジャズ、ラテンと新たなるジャンルに挑戦して自分のものとして歌いこなす姿を観て、圧倒されてしまった。
2011年に病気のため引退したが、ソロ・スタジオアルバムは28枚、ビルボード1位のアルバムは3枚、グラミー賞獲得数は10、TOP40入りヒットは21曲、トータルの売上枚数は1億枚を超えるという彼女が残した輝かしい実績は、その歌声と共に洋楽史に刻まれると思う。