デニロ

リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイスのデニロのレビュー・感想・評価

4.0
70年代。彼女の全盛期の頃、どうも好きになれなかった。歌唱というよりも全体的なスタイルが似つかわしくないと思ったのだろうか。とりわけホットパンツ姿と男関係の話が。情報の少ない時代だったので、そのまま固定されてしまった。

彼女がパーキンソン病を患って歌わなくなったと知ったのは10年程前だったろうか。そんな彼女の全盛時から現在の姿を垣間見ることのできる一篇。

好きになれなかったとはいってもこの10年くらいの中に彼女のCDを幾枚も購入している。やっぱり歌唱は凄いのだ。でも、本作を観るまで彼女のことをわたしはあまりにも知らなかった。ルックスが良くて歌がうまいだけじゃなかなか売れないんだけれど、彼女は惹きつけるものをたくさん持っている。それが男であれ女であれ、もはや彼女に触れたら離れずにはいられない。なんだかそんな気がしてきた。ザ・ローリング・ストーンズの「Tumbling Dice」は彼女のことを歌っているそうだけれど、そんな風になっちゃったんだろう。彼女もこの歌を歌っているのですが、その意味は彼女の歌を聴いた方がよくわかる気がする。

わたしのお気に入りの歌手エミルー・ハリスと親交のあることも知らなかった。というより、若い頃のエミルーのCDジャケットの姿しか知らないので、え、今の姿の方かかっこいいじゃん、と思う。年を取ったらいいものを着ろ、ということなのか。

ボニー・レイット、ドリー・パートンもふんだんに観ることが出来るし、長じたライ・クーダーもカッコいいではないか。27歳で死ぬなんて、カッコ悪い。

本作で、パーキンソン病は遺伝するんだと知る。
デニロ

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