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ヴィスコンティの肖像
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『ヴィスコンティの肖像』に投稿された感想・評価

74分と多少短めではあり、駆け足感はあるものの、イタリアが生んだ巨匠ヴィスコンティの生涯を本人や、若かりし頃のアラン・ドロン、マルチェロ・マストロヤンニ、バート・ランカスターといった豪華な出演俳優の当時のインタビュー映像と共に振り返るこのドキュメンタリー作品は、ヴィスコンティファンなら一見の価値あり。

ミラノの貴族の御曹司だったヴィスコンティが映画の世界に飛び込んだ過程、後に彼の代表作の一つともなる「ベニスに死す」の原作者であるドイツ人作家トマス・マンとの国境を越えた交流が興味深い。

「ベニスに死す」で主人公を魅了する美少年の母親役を演じたシルヴァーノ・マンガーナにヴィスコンティが亡き母親の姿を投影していたとは初耳。「山猫」の舞台となったシチリア島に存在する実際の貴族の邸宅の風景、何千本もの蝋燭を灯したので撮影中に俳優陣にロウが垂れ掛かって大変だったという裏話などは、作品のファンとしては垂涎もの。

デカダンスの象徴と呼ばれるこの巨匠が、「若者のすべて」と並んで、民衆を突き放した視線で制作したと紹介さている「地獄に堕ちた勇者ども」は未見なので、これは是非とも視聴せねば!
BON

BONの感想・評価

3.0
ルキノ・ヴィスコンティ本人が自作を語るコメントを中心に、生涯と作品を年表形式に辿っていくドキュメンタリー。

映画と演劇の世界を行き来し、男女、貧富、美醜、栄華と退廃を芸術に昇華してきたヴィスコンティの肉声を聴く。自分の出生でもある貴族階級と、世紀末的な退廃美、苦悩や官能を描き続けた稀代の芸術家。

イタリア、ミラノの貴族階級の末裔という高貴な生まれで、幼い頃から芸術に親しみ、パリ旅行でココ・シャネル、ジャン・コクトー、ベルトルト・ブレヒトなど当時の文化人と交流。名匠ジャン・ルノワールの『ゲームの規則』(1939)で衣装デザインしていたシャネルの紹介によって、映画に興味を持っていたヴィスコンティは彼に師事したと同時に左翼的な影響を受けていく…。

イタリアの映画批評誌『チネマ』を中心とする左派グループの援助を受け、ルノワールに勧められていた『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1942)で長編監督デビュー。編集も担当している映画編集者のマリオ・セランドレイがこの映画をみて「ネオ・リアリズモ!」と叫び、映画史に燦然と輝く「ネオ・リアリズモ」の名が誕生。

レジスタンス活動のかどで逮捕され厳しい尋問や死刑宣告を受けまるが、連合軍のローマ解放とともに釈放。彼は演劇界に戻り、コクトー原作の『恐るべき親たち』(初演 1945)で大成功を収める。従来の過剰演出から徹底的なリアリズムに即した演出でイタリア演劇界に一石を投じ、演劇界で揺るぎない地位を確立する。

スカラ座でマリア・カラスと一緒にスカラ座に入っていくシーンも一瞬あったが、素晴らしい眺めだった。妥協を一切許さない荘厳で一貫して本物にこだわり続けた作風。アンナ・マニャーニやマルチェロ・マストロヤンニへの言及もあり楽しかった。

ジャン・ルノワールの精神をヴィスコンティが受け継いでいたり、コクトーと交流があって実際に彼の原作を演出したりなど、自分が好きな芸術家同士の交流があると知れると嬉しい。
Amazon primeで観ることができた「ヴィスコンティの世界」という作品。内容からするにこちらの作品の再編集?なのでしょうか。作品がないのでメモとして残しておきたくこちらに記載します。

「ベニスに死す」のくだり、美少年の母親役の女優に、ヴィスコンティ監督はこのように言ったそうです。"この映画だけの話ではない、単に少年タジオの母親役としてだけではなく、私の記憶の中で君は母と結びついて存在し続けるだろう"と。

とすると、あの映画は単なる同性愛だけでなく、主人公の少年時代の自分自身への憧景や母への愛慕が表現されているということ。あまりに遠い昔に観たので未熟でした、まったく気づかなかった。その点を踏まえてまた観直します。

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