Moomin

i-新聞記者ドキュメント-のMoominのレビュー・感想・評価

4.5
ムカつかなかった側の人間です

望月さん(記者)の姿を通し、今の日本のメディアの在り方、政府の在り方、繋がりを再認識させる、意図的でメッセージ性の強い映画

望月さんの行動力に合わせたカメラワークで、それと反する望月さんの家族との向き合い方。これが作品のリズムを生むのかと思っていたら、後半からは想定外のテンポに。ラストの方は行動力を逆手に取った、意図的な望月さんの無言のショットの重ね。
リズムの使い方が非常に上手いと思った

又、彼女が向き合う問題が想定外の大きさで観ていて面白くないわけがない。意図的な演出は多々あったが、映画だからね、という感じ。
まあ批評される映画は基本制作の価値があると思っていて、そういった意味ではやはり森さんばの作品は凄い…

語るべきことが2つ。
森さんの演出と、政治について

森さんの横断歩道。アニメーション。
これに批判が集まる文面を見たことあるが、あくまで一表現者としてこの演出を選んだわけであって、それは言い換えれば手法、技法、工夫、の分類の話であり、批評されるべきは横断歩道とアニメーションで監督は何が伝えたかったのか。又、その伝えたいことに対しての批評ではないのだろうか。映画の見方は自由であるのでどんな深度で観ても良いのは勿論だが、はたして映画の面白さとはどこにあるのか。

個人的に政治に関しては、どちらかに属するということもなく、問題の真実と向き合い議論し結論を出し、だめな所はだめで直せばいい。良い所は引き続き頑張ればいい。それは総体的な評価であって、総体的な立場でいれる日本だから。
ラストのドイツとフランスの話では、総体的では居れなかった時代の話で。
つまり何が言いたいかというと、右翼左翼も自民党大嫌いの中でも、良いこと言ってる人もいればおかしい人もいる。これが一人称単数で済める人間力ならば良いが、この作品が示すように、巨大に膨れ上がったときの民意が一番恐ろしいってことを歴史から学ばないといけない。(リーガルハイ参照)若いからって政治に無関心な訳ではないです。
Moomin

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