ちなつ

きっと、またあえるのちなつのネタバレレビュー・内容・結末

きっと、またあえる(2019年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

うーん、あんまり響いてこなかった。
大学受験に失敗して自殺未遂をした息子に、「自分たちも負け犬だったけど、変わったんだよ」ってことを言って聞かせる話。

大学受験は長く、先の見えない将来のための孤独な戦いだと思う。その孤独な戦いに敗れた息子に、目先の勝負にチームで戦った話を聞かせてるのがちょっとズレてると思った。「失敗しても、終わりじゃないよ」ってことを伝えたかったにしても、自殺するほど追い詰めてる子供に伝わる話じゃないだろうなぁ。(映画の中の息子くんは素直に受け入れたみたいだけど)

「自分たちは負け犬だった。悔しかった。だから変わろうとした。努力した。その結果変われた。」の流れが、かなり雑だなって思った。馬鹿にされてる集団が努力して周りを見返したいっていうのは暗殺教室っぽい。でも負け犬がどんなに惨めか、どんなに嫌な思いをしたか、どんなに悔しかったか、変わるのがどれだけ大変か、どんな努力をしたか、がスラスラ〜って流れていく。え?そこが1番大事なのでは?最後勝ってもそれじゃあ何も感じないよ?大丈夫って心配になる。

そのあと、何が待っているかと思えば長いスポーツ大会の様子。しかも努力の結果、勝利が続いているのではなく、卑怯ともいえるような姑息な手段を使っている。他力本願なところも多い。ため息をつきながら眠たい目を擦り頑張って視聴を続ける。やっぱり俳優が演じるスポーツものは「スクールウォーズ」は越えられないなぁなんて思った。最後のバスケの試合、勝つか負けるかの瀬戸際で、ゴールを外す。あ、負けるのね。

そして父親が言う「でも俺たちは負け犬を卒業した」「失敗したって終わりじゃない」えっ?なんか強引じゃない?負けた瞬間、主人公たちは酷く落ち込むけど、敵に賞賛されたら急にイェーイ!ってなる。他人からスゲーじゃん!って言われれば負け犬卒業できるの?え??って混乱してたら息子くん元気になって立ち直った。

終始独りよがりな父親って感じしかしなかった。自殺未遂した息子に語りかけたとき、「お前が受験だから受験だからって旅行も、何も、この2年間ずっと我慢してきたじゃないか。おれはお前のために…」みたいなことを言う。自殺未遂した息子に言うことなのか?と思う。あと、映画を通して語られたことも、息子に伝えたいことじゃなくて、ただ自分が喋りたいことだなって思った。よく分からない映画だった。
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