TagTak

MONOS 猿と呼ばれし者たちのTagTakのレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
3.5
眼下に雲海が広がる高山、高山にそびえ立つ抽象的な建物。寓話性が高いビジュアルのつるべ打ちに圧倒される。激流に流されるシーンの迫力にも息を呑む。遊びと戦争の区別が付かない少年兵たちの葛藤と軋轢を描きながら、同時に彼らに囚われてるアメリカ人女性の脱出劇も交互に映しだし、サスペンスを高めていく手腕も見事。サッカーボールやTVゲームの代わりに実銃を与えられ、ただひたすら無邪気に暴力の素晴らしさを謳歌する少年兵たちの、遊戯と戦闘が紙一重の日常が叙々に崩れ去る過程は、戦争の倒錯と混乱をそのまま体現しているかのようだ。
監督の手に余ったのか、尻切れトンボなラストに不満が残る。
TagTak

TagTak