HidekiIshimoto

MONOS 猿と呼ばれし者たちのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
5.0
ミカ・レヴィの異形のサントラは寝る前によく聴いてたけど、映像は更にも異形だった。『アギーレ』から始まる密林映画の最新作。密林映画が好きなのは猿と自覚し俺だから。しかも密林+『蝿の王』。なおかつ南米マジックリアリズム+『シティ・オブ・ゴッド』。つまりもの凄い。異形顔面から獣性にじみ出る少年兵が天に向かって撃ちまくるゴツい自動小銃。こんな脳天に響く獣性の銃声聞いたことない。服従と放縦、密林と自動小銃。南米コロンビアは特にそれらが絡み合った印象。生も死も剥き出しの密林に同化してるようなしてないような少年少女兵は、恐らくあの親を殺された孤児の行く末。そんなこんなで密林なのに大都市みたいな、社畜みたいな印象が滲み出てきて、アギーレの頃はのどかで良かったねと呟きたい印象。クラウス・キンスキーが何人もいるみたいな印象。世界全体が絡みあって異形の密林化していく印象。IMAXで呑み込まれたい激作。