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All This Panic(原題)のtetsuのレビュー・感想・評価

All This Panic(原題)(2017年製作の映画)
4.0
京都みなみ会館の"ルーキー映画祭"にて観賞。

同性愛、ドラッグ、女性としての地位、様々な悩みを抱えるティーンの女子高生たち。彼女たちの3年間を追ったドキュメンタリー。

同じく"ルーキー映画祭"の上映作品『Girl Asleep』とはしごで観たのですが、どちらも思春期女子の成長を描いていて、通ずる部分が多かったのが興味深かったです。

本作の素晴らしいところは、そのテンポの良さ。
メインとなる7人の女子の3年間という膨大な素材を見事に編集して、79分という尺に収めているので飽きることなくサクッと観れるのが良かったです。
上映後、今回の配給を担当したグッチーズさんの方々のフリートーク*でも言っていたのですが、本作の監督は本業が写真家の方だそうで、まるで「動くポートレート写真」を見ているような素敵な映像美も記憶に残る作品でした。

*余談にはなりますが、グッチーズさんのお話によると、本作の権利元は同じくティーンを主題に扱った映画『ビヨンド・クルーレス』と同じ The Film Sales Company さんだったのだそう。確かに雰囲気が似ている映画だなぁと思っていました。もしかすると、この系統の映画を中心に集めているところなのかもしれませんね...。

等身大の女子高生たちの悩みに、多少、共感するところや発見するところもあり、個人的にはかなり学ぶことが多かったのですが、登場人物の平均年齢が16才~17才だったという事実。笑
20才を超えた自分の精神年齢の低さに、今更ながら思い知らされる作品でもありました...。

また、そういう点も含めて、登場人物たちと同世代で同じ様な悩みを抱えている若い世代にとっては、ある意味、救いになりえる作品なのかもしれません...。

というわけで、「大人になりたい」ティーン女子のリアルな日常が切り取られた本作。
僕自身、20才を越えたのを境に「いかに自立していくべきか。」「大人になるとは。」という自問自答が増えたことが、この映画にハマった一番の理由だと思ったので、将来への期待や不安を持った同世代の人には、ぜひ観てほしいティーンドキュメンタリーの名作でした!

参考
ポートレート写真(ぽーとれーとしゃしん)とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E5%86%99%E7%9C%9F-188158
(カッコつけてポートレート写真とかいう言葉使ってみたけど、調べるまで本当の意味分かってませんでした。なんか、すいません。笑 m(_ _)m)
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