ちろる

次は何に生まれましょうかのちろるのレビュー・感想・評価

次は何に生まれましょうか(2019年製作の映画)
3.7
短編である事を忘れさせる程の重み。
この主人公の立場になったこともないし、これをどう感じ取ればいいか正解は分からないけどラストすごく伝わってきて泣いた。

若くして結婚して離婚して、幼いミユを育てているシングルマザーのサトミ。
ミユは無口で不安定でたまに授業中居眠りをしている事を教師に指摘されて思い悩むのだが、、
一向に整わない生活。
噛み合わない親子。
まだ、若すぎるサトミには正しい叱り方すらわからない。

恐らくADHDについて仄めかしているのだと思うけど、それが言葉で表現されていることではない。
多分この結果をいろんなものに当てはめられるように想像させてくれたのかも。
ここ数年になってADHDのカミングアウトや、子供の診断が増えてきたのは、時代によって増えてきたわけではなくて、それを一つのタイプとして分類してくれることで救われる人がたくさんいたからなのだと聞いた事がある。
先生の突き放し方はムカついたので論外としても、あれがきっかけで答えを見つけようと一歩進んだサトミの気持ちは痛いくらいわかるし答えがある事で安心するならそれが一番良いと私は思う。
閉塞感の中でどう進んだらいいか訳のわからなくなってしまったサトミに、あの優しい父親と抱きしめてくれるママ友がいてくれて良かったな。
サトミもミユも、そしてお母さんにも出口が見つかります様に。
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