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ユンヒへのykのレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
3.5
観光地もたくさんある小樽だけど、広がるのはどこまでも白く雪深い、何の変哲もない日常の小樽。
そんな中で、煌めく運河の上で再会するってことは、やっぱり二人にとってその再会は特別なものだったんだろう。

ジュンとユンヒの過去の描写がないせいか、二人に感情移入するのは難しいし、
ところどころ、ん?っと腑に落ちない発言もあって、全体としてぼんやりあっさりした印象。

でも、今の二人の近くにいる人たちの温かさがじんわり沁みてくるのが、この映画の魅力かと。

自分も含め、人のありのままを受け入れられることはとても尊い。

自分の母親が実は女性が好きで、父親と結婚する前から大切な女性がいたと知って、
ユンヒの娘のように、その女性との再会のお膳立てができるだろうか?
私だったら、娘である自分の存在自体に疑問を持ってしまうかもしれない。
それを乗り越えさせたのは、一見頼りないピュアでウブな彼氏との恋愛なのかと思うと、天真爛漫で素直な若さって貴重だなと思う。

一方、ジュンのおばの全て包み込むような穏やかで深い愛情は、人生経験を積んできたからこそ生まれたもので、
登場人物たちを通して、人生の縮図を見ているような気になる。

何度も出てくる、「雪はいつ止むのかしら」という言葉の真意を、ずっと考えている。
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