トールキン

ユンヒへのトールキンのレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
4.0
以前から気になってた作品。無料配信されたのですぐ見てみた。
端的に言ってとても穏やかな作風で心地良いゆったりとした余韻を残してくれた。

ジュンとユンヒ。この2人の過去に何があったのか、詳しい描写を明かさない展開が逆に良くて、一体何があったのか、見ているこちらの想像力を掻き立てられて集中して見れた。
過去のことは過去の事として脳内の記憶から封印したくなる、そんなことも誰にだってあるはず。でもふと思い出して懐かしい思い出に耽ったり、懐かしい人に会いたくなったり、時が過ぎれば過ぎるほどそういう思いになることってあるかもしれない。自分ももう少し歳を重ねればそういう気持ちになる時が来るのかな、なんてちょっとしたそんな思いに駆られる。

さらに、この2人のそれぞれの家族間の関係性にほっこりさせられる。
シングルマザーのユンヒ、独身で叔母と暮らすジュン。母1人子1人、そして叔母1人姪1人というそれぞれの関係性。似て非なるもの、それぞれの家族は唯一無二の家族でありそれぞれの歴史とそれぞれの家族の物語があるんだな、とそんなことも感じさせてくれた。
木野花さんのベテラン役者の風格と言うか、温かい人柄、優しさが溢れるような役柄が良かった。

あと、自分も雪国の生まれだけど、画面に映る北海道、小樽の雪景色にとても癒される。
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