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WAVES/ウェイブスのrenoのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.8
プレイリストムービーとしか知らずに観たらずっしり重い。昨晩観たその流れでは感想書けない位には気持ちを持っていかれた。今も身体が重い。前半はその場の気持ちに支配される若さ脆さにヒリヒリが止まらなかった。(いつ車で事故るのかとハラハラした)後半の柔らかな光の兆しがなかったら観進められなかったかも。

父がmasculinityの塊で、そこにマイノリティであることの苦悩が加わりはじめのパート苛立ちとやるせなさでいっぱいだった。自分が孤独に懸命に歩んで築いてきたものを受け継いで欲しい想いから、その脆い強さを無自覚に押し付け、タイラーをも孤独にしてしまった父。
そしてその事と向き合えない弱さもまたmasculinity が手伝っているように感じた。
そんな父が尊敬・嫌悪の対象であったタイラー自身は女性への態度はやわらかなものと最初は見えていたけど妊娠の辺りからあなたもか…ってなった。父が母を“いい子”と評した部分をタイラーもちゃんと受け継いでいた。切ない。

不穏続きでエミリーがルークと仲良くなり始めた時も何かあるんじゃないかと疑ってしまった笑 自分の心と直接向き合うのでなく、他人の心をケアする事で癒されるものがあるのはめっちゃ共感。今は向き合えなくても、時間をかけてきっかけを掴んでいけばいいよね。エミリーが父や兄を母のように抱きしめていて、これから先はみんなの母ではなく、妹、恋人、末っ子、娘として甘えられる人生であって欲しいと願う。

音楽は詳しくないからアーティストとか分からないけど、これ書きながらプレイリスト聴いてる。好きな曲沢山あった。
What a difference a day madeも良いところで流れてたな〜
映像美がすご。吸い込まれる。映画館で観るべきやったです。青春映画お決まりの自転車、ドライブシーン最高だった!
マミーを思い出すシーンも◎
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