このレビューはネタバレを含みます
非常に重い話。怪我になってしまうなかで、親からの期待を裏切れず、成果を残したいタイラーは真実を言えないジレンマが生まれる。そんななかで愛する彼女と全く意思疎通ができなくなってしまい、我を失うタイラーは悲劇的な結末を迎える。
彼女に傷つけるつもりがなかったタイラーに同情もしたいが、結果的に罪を犯してしまうことは正当化できない。世の中は非情で結果が全てなのだ。
タイラーが逮捕されて取り残された家族もバラバラになっていく様子が悲しい。父親が継母と分かり合えなくなっている様子もタイラー同様。だがA24伝統のテーマ「家族崩壊からの復活」で綺麗に幕を閉じた。
演出で顕著なのは光。タイラーのパートではネオンのような光が差し込み、心の平穏さが失われていく様子が印象的だった。一方でエミリーは湿っぽいが明るいシーンが多く、精神的な回復の兆しが感じられた。
HiphopのKendric LamarやKanye west (Ye)、R&BのSZA、Pop のFrank Oceanなど好きな歌手の曲が多数挿入されていて、光と音のハーモニーを楽しめた。