観た。
タイトルがまず格好良い。フォントも出し方も。
そこからオープニングクレジットの映像もヤバい。カメラの物理的な居場所を全く感じないというか、アングルも動きも自由過ぎる。
アスペクト比が、主人公達の感情の変化で変わっていく演出はマミーのよう、今っぽさかな。
前半はタイラーの不甲斐なさにモヤモヤしたり、嫌なザワザワがあった。
正直、圧倒的な映像、色味、カメラワーク、音楽、演者もかな、のセンスに比べてお話が凡庸で合ってないとも感じていた。
後半、エミリーが主役になってから狭い画角の中にいる彼女の心の中を思うと切なくなり、一気に入り込めた。
エミリー役のテイラー・ラッセルは高校生役だけど4年前に公開された当時で24、5歳だったのか、驚いた。幼さ故の不安な表情が秀逸だったので。
彼氏がまた良い奴。ルーカス・ヘッジズ。良い映画に幾つも出てるな。
それでもまだしんどい状況は変わらないが、彼のお父さんに会いに行く所から一気に何倍も深みが出てきた。
お父さんの死に号泣する、彼の表情でこちらもやられた…
もう一度、と書いた文字を消して家に戻るね、とエミリー。タイラーも含めて、どうか幸せな家族になって欲しい。
愛とヘイト、がテーマなのかな。刑務所で彼女の写真を見ている姿は切ない。
そして、最初のシーンに戻って終演。
場面場面で感情に合わせたヒット曲をのせるのはどうなんだろうか、少なくとも日本語字幕がダサく感じてしまった。原語で理解出来たらまた違うのかな。
まぁ、とにかく映像のセンスが素晴らし過ぎる。カラリスト最高だな。
トレイ・エドワード・シュルツ、監督。
若き監督、要チェックや。