映像のつくり、カメラワーク、リンクする音楽、兄タイラーから妹エミリーへと劇中で視点が変わる瞬間の演出、全てがA24だなぁと。
この映画は見方によっては色んな解釈ができると思う。一見は"愛"を軸に、挫折や絶望などを経てバラバラになった家族、若者たちが再び未来に向かって歩み出す様子を描いているように見えるけど、タイラーの劇中での言動の背景には、例えば"黒人"である故の葛藤、ネガティブな思考もリンクしている部分は散見されていて、そうした人種に関連した若者の境遇や心の移り変わりも上手く描写されていた気がする。
あとは、"許す"ことの難しさ、痛さを考えさせられる。
結局、個人的にはA24だなという一言に尽きる。
観賞後に後ろにいたお客さんが"あまり面白くなかった"ってつぶやいてたけど、これは面白いor面白くないで語る作品ではない。本質が何かを考えれば、きっとこの作品の意味が見えてくるんじゃないかな。