Kawaguchi

WAVES/ウェイブスのKawaguchiのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
4.2
ハードで激烈な物語ですが、ここまでリアルに感じるのは、監督の個人的な思いが伝わってくるからじゃないでしょうか。

ティーンムービーに、「オピロイド(アヘン)などの医療ドラックの問題、アフリカ系アメリカ人がひとつ階段を踏み外してしまうことへのリスク」など、現代のアメリカの問題をテーマに描いている点、本作又はアメリカ映画が優れているひとつの理由ではないでしょうか。

海外でテラスハウスが人気なのも、「若い人が集まっているのに、政治や人種、宗教、思想の議論が一切なされないのが新しい」と聞いたことがあります。笑っちゃいますよね。

舞台は美しいフロリダですが、自分の大切な記憶・既視感ある景色が思い出されるので不思議です。本作は「自分を許す/呪いからの開放の物語」です。台詞を極限まで減らした演出、抑圧されたアスペクト比、逆光かつ自然光のみで撮影された映像、美しく壮大で至極の一本です。
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