MidoriK

WAVES/ウェイブスのMidoriKのネタバレレビュー・内容・結末

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ビビットな映像とくるくる回るカメラ。
強烈だけどあまり覚えてない、気持ちも状況もめまぐるしく変わる青春時代を表しているようだった。

前半は兄の話。多分良い波から荒波。
少しずつズレていく思っていた人生、モヤモヤしていた父との関係、身体は立派だけど所詮18歳。
色々な壁に対処出来なくなっていく。
頭の中で混ざった闇は変な色になって周りも自分も攻撃していく。
「気付いたら」狂っていく様が見事で、鬱憤の晴らし方がアメリカらしい。

後半は妹の話。多分荒波が去った後の静かな海。
ゆっくりと物事を受け入れていこうとする度に涙が出る。
兄も父も彼も(なんなら彼の父も)、皆この子が泣きじゃくる彼らを抱き締めていた。
浅はかだけどマリア様みたいだった。
父とのシーンが良かった。

WAVES(波)は来たのか去ったのか、呑み込まれたのか乗り越えたのか。
簡単に「再生の物語」なんて言えない。
エミリーを見ていると、困難は受け止めるしかないのだと、抱き締めるしかないのだと言われているよう。
愛は全ての罪を覆うから。
MidoriK

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