富田健裕

グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇の富田健裕のレビュー・感想・評価

4.2
喜劇の登場人物はしぶとくなくっちゃいけません。
飛ばされようが流されようが殴られようが蹴られようが刺されようが斬られようが撃たれようが木っ端微塵にされようが、立ち上がって来るのが喜劇の中の人間だ。
「もう良い加減にしなさいよ!・・・でも頑張ってね♪」
客にそう思わせた時が喜劇の勝利。

いやはや、上質な人間喜劇だった。
原作の持つ力と役者の力量が物の見事にマッチング。
時代性すら味方に付けられちゃあ、こりゃもう笑うしかありません。

喜劇を喜劇として堪能出来なくなっている自分を感じた。
これはいけない、由々しき事態。
笑わせに来るのは分かっているだろ?
それは笑いに行っているって事だろ?
笑わせに来た途端に気持ちは引いて行くだと!?
何て天邪鬼で自分勝手なんだよ俺は。
話に無理があるとかさ、辻褄が合ってないとかさ、無駄な能書きを脳裏に浮かべて腕組み足組み上から目線。

もっと素直に楽しめよ!と劇中の方々に横っ面を張られた気分です。

まあ何と言っても小池栄子さん!
素晴らしい以外の言葉は浮かばない。

ありがとうございます!面白かった!
富田健裕

富田健裕