てっぺい

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【デッド映画】
トム様が死ぬほど走り、死ぬほどカーチェイスを繰り広げ、死ぬほどすごいバイクジャンプをかます。死ぬほど小難しくなりがちなAIというテーマも、トム様のど迫力アクションで全て吹き飛ぶ。

◆トリビア
○ タイトルの「デッドレコニング(Dead Reckoning)」は「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。(https://eiga.com/movie/97229/)
また、広くは “重要な要素が失われた状態での推測” のようなニュアンスがある言葉でもある。(https://rocketnews24.com/2023/07/20/1926784/amp/)
〇トムは本作に臨むにあたって、1年以上の歳月をかけ、500回スカイダイブ&13000回モトクロスジャンプの徹底したトレーニングを敢行した。(https://otocoto.jp/news/missionimpossible1220/)
さらにそのモトクロスジャンプを、本番では実に6回以上も連続して撮影した。(https://www.ciamovienews.com/2022/12/MI7-Tom-Cruise-Biggest-Stunt.html)
トムは本作のアクションを“俳優人生で最も危険なスタント“と語る。(https://screenonline.jp/_ct/17639737)
モトクロスジャンプで使われたCGは、飛び降るために作られたスロープの消去だけ。(https://bestcarweb.jp/news/entame/677881)
モトクロスジャンプは、映画クランクイン初日に撮影。万が一トムが帰らぬ人となる可能性を考え、撮影時期の途中や終盤で行って作品がお蔵入りになるリスクよりも、初日に行う方がまだ安全だという判断。(https://theriver.jp/mi7-day-one/)
モトクロスジャンプで使用されたバイクはホンダのCRF450R。スポンサーのBMWの車やバイクが多用される中、軽量なのに安定性があるため選ばれたという。(https://bestcarweb.jp/news/entame/677881))
○ 垂直に傾いている列車を6秒間で駆け上るシーンでは、グレースを演じたヘイリー・アトウェルはヘトヘト。一方で疲れ知らずのトムは再度撮影を要求しつつ、ヘイリーにチョコを与えるなど気遣いも忘れない。(https://screenonline.jp/_ct/17640894/p2)
○列車でのアクションシーンのためだけに列車を製作。時速96.5キロで走らせ、実際に谷底に落として撮影した。一つの間違いで命に危険が及びそうなこの撮影は、トムと長年タッグを組んでいる監督さえ、“二度とない”と語るほど困難なものだった。(https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1517298.html)
○ 後編である『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』は2024年6月28日に公開予定。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ミッション:インポッシブル/デッドレコニング_PART_ONE)
○本作と次作が、シリーズの集大成となり、イーサン・ハントを送り出す作品になると報じられている。本作の公開が2023年に延期されたのも、卒業までの過程をスムーズにするためだという。(https://dolly9.com/mi7-kaisetsu/)
○ 撮影の息抜きに、トムがキャストやスタッフのためにアクティビティを用意してくれる「トム・クルーズ・デー」がある。本作の南アフリカでの撮影時には、サイモン・ペッグ、ヘンリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ、グレッグ・デイビスをケープタウンのサメ・スポットに連れて行ったという。(https://m.crank-in.net/interview/129123/2)
〇撮影開始がコロナ禍と重なり、くり返し撮影休止の事態に追い込まれ、製作費は400億円以上に達する見込み。※邦画1本の平均製作費は1億円と言われている(https://www.ciamovienews.com/2022/12/MI7-Tom-Cruise-Biggest-Stunt.html)
〇本シリーズで黄色いフィアット500のカーチェイスシーンが登場するたび、「ルパン三世」のオマージュが噂されてきたが、監督はそれを否定した。(https://theriver.jp/mi7-lupin-the-3rd/)

◆概要
シリーズの第7作で、初の2部作、本作はその前編。
【脚本・監督】
クリストファー・マッカリー(「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」以降のシリーズを手がけている)
【出演】
「トップガン」シリーズ トム・クルーズ
「スター・トレック」シリーズ サイモン・ペッグ
「グレイテスト・ショーマン」レベッカ・ファーガソン
ヴィング・レイムス(シリーズ全作品に出演)
「ワイルド・スピード/スーパーコンボ」バネッサ・カービー
ヘンリー・ツェーニー(第1作に登場したユージーン・キットリッジ役)
「キャプテン・アメリカ」シリーズ ヘイリー・アトウェル
「NYPDブルー」イーサイ・モラレス
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ ポム・クレメンティエフ
「ワイルド・スピード」シリーズ シェー・ウィガム
【公開】2023年7月21日
【上映時間】163分

◆ストーリー
IMFのエージェント、イーサン・ハントに、新たなミッションが課される。それは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものだった。しかし、そんなイーサンに、IMF所属以前の彼の過去を知るある男が迫り、世界各地で命を懸けた攻防を繰り広げることになる。今回のミッションはいかなる犠牲を払ってでも達成せねばならず、イーサンは仲間のためにも決断を迫られることになる。


◆以下ネタバレ


◆アクション
アブダビ空港で“トム走り”を拝んだ冒頭から、ドアなしパトカーで激走からのフィアットの階段落ちカーアクション(そしてハンドル手錠繋ぎで街を歩くイーサン笑)。毎度ながら、クラッシュ時の車内映像がリアルで迫力が増す。そしてあのバイクジャンプ。いよいよ来たかと身構えるも、その迫力には口が塞がらない。意外だったのはその着地の仕方で、グレースのピンチに列車の窓をぶち破ってコミュニティの男達を蹴散らすとは笑。川に落ちていく列車そのものもど迫力だし(あれが本当に落としているのだからスゴイ)、一瞬無重力化する車内映像や、グランドピアノすら落ちてくる垂直の列車の中を命からがら脱出…今回も、見たこともない工夫が凝らされたアクションの数々にとにかく驚くばかり。流石です。

◆AI
全人類の脅威となりうることがひしひしと伝わってくる今作のヴィランであるAI。世間的にはチャットGPTが良くも悪くも話題にあがるこの時代に、本作がそれを予測不可能な2020年に撮影を始めているのは、何か持っているとしか言いようがない。本作の日本プレミアが中止となった、トム様も所属する映画俳優組合のストライキが、一部AIの活用制限を求めているものであることも同様。何をやっても話題になるトム様はやっぱり持っているし、この先も期待しかない。

◆次作
対AIというよりは、その子分的立場な対ガブリエル一味という本作の図式。善悪が見やすい反面、AIの壮大な不気味さが少し陳腐にも見えたのは否めない。シリーズの特徴でもあった、この人物が裏切り者だったのか、なサプライズもない。前作、前々作で大活躍、もはやファミリーとなったイルサのあっけない最期はまるで監督が変わったのではと疑うほど。それらが逆に、次作でその必要性があった事を十分に理解させる伏線となる事を期待したい。また、本作で第一作から復帰を果たしたキトリッジは、なぜ本作での復帰が必要だったのか、その理由も直接的には描かれていない。第一作では、イーサンがガジェットを使いキトリッジに通告する事で真犯人が暴かれた。そんな構図を考えると、おそらく次作でその点にインスパイアされた展開があると予測する。つまり、イーサンが何かをキトリッジに証明する事で、物語が全て解決に向かうシナリオだ。それは同時にシリーズを綺麗に完結させるラストとしてもふさわしい。本作よりも危険なアクションが敢行されるという次作には、アクションだけでなくシリーズの集大成としてストーリーの面でもおおいに期待したい。

◆関連作品
○「ミッション・インポッシブル」('96)
シリーズ第一作。劇中の人物キットリッジが本作でカムバック。原作はテレビシリーズ「スパイ大作戦」で、あのテーマソングは原作のものをアレンジしている。プライムビデオレンタル可。
○「ミッション・インポッシブル/フォールアウト」('18)
シリーズ前作。シリーズ初の監督続投作で、過去作へのオマージュも。トムが骨折したビルジャンプシーンが痛々しい。プライムビデオレンタル可。

◆評価(2023年7月21日現在)
Filmarks:★×4.2
Yahoo!映画:★×4.0
映画.com:★×4.3

引用元
https://eiga.com/movie/97229/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ミッション:インポッシブル/デッドレコニング_PART_ONE
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