Hiroki

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのHirokiのレビュー・感想・評価

3.7
たまたまいつもは行かない場所で時間ができたので都心から少し離れたシネコンへ。
初めての場所だったのだけど、ロビーで明らかに映画を観にきてない人が座って飲み食いしていたり、スクリーン内でも上映中に喋る、電話なる、足を前の席に乗せるなどなど無法地帯でした。
もうこのシネコンに来る事はないなーと思いました。

私が行った回は初週の休日夜で9割ほどの入り。
しかし興収的にはなかなか思ったようにいかない状況。
北米では7/12に公開され現在まで約1.4億ドル(約200億円)と予想を大幅に下回る数字。
夏映画の大本命となっている『Barbie』は約10日間遅れの7/21公開ながら約3.5億ドル(約500億円)、同じく7/21公開の『Oppenheimer』は約1.7億ドル(約240億円)と比べると確かに物足りない。
ちなみに全世界では約4.5億ドル(約630億円)でBarbieは約7.7億ドル(約1,100億円)、Oppenheimerは約4億ドル(約560億円)と悪くない感じもする。
しかし製作費がBarbieが約1.5億ドル(約210億円)、Oppenheimerが約1億ドル(約140億円)に対して今作は約2.9億ドル(約410億円)もかかっている事を考えるとやはりもう少し期待していたであろう事はよくわかる。
ちなみに前作フォール・アウトは全世界が約7.9億ドル(約1,100億円)、北米が2.2億ドル(約310億円)。
トム君はSAG-AFTRAのストによってプロモーションができなかった事がかなり響いていると思っているようだけど、遅い公開でより影響を受けているであろうBarbieとOppenheimerの成功を見るとそーとも言い切れないような...(ただこの2作品は監督であるグレタ・ガーウィグとクリストファー・ノーランというビッグネームがプロモーションできるという違いはある。)

個人的に感じたのは前後編の2部作、しかも公開が1年先という戦略がどーだったのだろう。
『DUNE 砂の惑星』や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のような壮大な物語の場合はこの戦略もありな気がするが、どこまでいってもポップコーンムービーの域を出ないM:Iシリーズで2部作、しかも続きが1年先まで見られない事をポジティブに受け止めるのは難しい。
PART2が公開になる頃には配信にもなってる(きっと日本では金曜ロードショーでやる)だろうからそれを観て面白ければPART2を映画館に観に行けばいいやと思う人が一定数いたような気がする。

さて内容ですが、これも上記と関係してちょっと無理やり壮大な物語にしすぎている感じがする。
まー今更M:Iシリーズで「そんな事あり得ない!」みたいな事を言うつもりはないのだけど、やはりちょっと話を複雑化しすぎていると思う。
このシリーズに求める事ってちょっとコメディがあって、ちょっとラブストーリーがあって、ちょっと友情物語なんかもあって、見たことも無いようなガジェットが出てきて、そしてトム君と仲間たちがとてつもないアクションをみせてくれる。
それだと思うんですよねー。
なんか社会的な事象とか、複雑な人間関係とか、入り組んだ伏線とか、そんなのじゃない。
そこが今回はちょっと気になった...
トム君の相棒であるクリストファー・マッカリーの演出もなんだかいつもと違う印象。
彼はトム君のやりたい事を映像におこすスペシャリストだと思っているのだけど、今回はそんな感じがしない。
特に前半は別人が撮っているような違和感があった。
あとやはり長い。シリーズが続くために長くなっていってる。
この内容で163分は正直厳しい。
120分にできたと思う...ってまだ前編じゃん!

そして謎にシステムがほぼルパン三世。
ルパン/次元/五右衛門の主人公トリオはイーサン(トム・クルーズ)/スティッケル(ヴィング・レイムス)/ベンジー(サイモン・ペッグ)。
峰不二子の敵か味方かどっちかなーみたいな女性役はイルサ(レベッカ・ファーガソン)、今作ではグレース(ヘイリー・アトウェル)も同じような役回り。
銭形の基本主人公トリオを追うけどあまり捕まえる気はなく時には味方もしてくれる役はCIAのジャスパー(シェー・ウィガム)。
たしかゴースト・プロトコルでも同じようなフレームだったような...
しかも今回は途中でトム君がフィアット500に乗るシーンまであって絶対に確信犯だと思う。

でもね、やはりアクションは素晴らしい!
予告でも目玉となっていたバイクでの崖からダイブするシーンは初日に撮影したらしくその理由が、主役が死んだ時のリスクを減らすため。
これ映画界では当たり前らしいんだけど、決めてるのプロデューサーを兼ねてるトム君本人ですからね。
もーイカレてますね。
ちなみにこのシーンのために13000回以上のバイクジャンプ訓練、500回以上のスカイダイビング訓練、1年間以上リハーサルをして、本番は7回もリテイク。
いやーマジでイカレてます。
他にもお得意のカーチェイスをはじめ(ローマの街中を閉鎖)、1作目を思わせる列車上でのアクション(実際に列車を作って走らせて谷底に落としているらしい...)、砂漠での銃撃戦(馬にも乗っちゃうトム君)などなど全てのアクションシーン見逃せません!

キャストに関してはまずレベッカ・ファーガソンが退場!まさかトム君と良い感じになって速攻で...しかしPART2にも名前があるのは回想シーンなのかそれとも...
とりあえずヘイリー・アトウェル演じるグレースと良い感じになるのだけは勘弁して欲しい。
そして1作目からお久しぶりのキトリッジ役のヘンリー・ツェニー登場。しかもそこそこ重要な役どころ。たぶん最初から予習してきてる人じゃないと「だれ?」ってなると思う。
新キャストはなんというかとても地味。
ヘイリー・アトウェル、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ。良いけどなんかMCUファンが喜びそうなキャスティング。
でも前回のヘンリー・カヴィル、アンジェラ・バセット、ヴァネッサ・カービーのインパクトと比べてしまうと...てかアンジェラ・バセットどこいった?

明確な2部作に関しては前編だけで評価するのもどーかなーと思うのですが、とりあえずの星。
後編によっては変わってくる可能性もあり!
でもきっと公開延期ですよねー...

2023-50
Hiroki

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