ハル

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのハルのレビュー・感想・評価

4.0
期待値高めの鑑賞でも、その期待に必ず応えてくれるのがこの男。
還暦を迎えてもスーパースターはスーパースターのまま健在だ。
スクリーンでイーサン・ハントを見られる奇跡、あと何回この珠玉の時間を体験できるのだろうか。
感謝の思いを込め、今回もIMAXへ。

冒頭からサブマリンのダイナミックな爆発で掴みはOK。
そこからイーサンとイルサ(レベッカ・ファーガソン)が登場して挨拶代わりのガン・アクションを披露。
乗馬も当たり前にこなしているけど、砂漠の中を駆け抜けていくのは普通にハードル高いよね…
一つ一つの細かな動きも全て自分でやってきた彼は、表現可能なアクションをどんどん増やしている。
この年にしてなお『現在進行系の俳優トム・クルーズ』、その視座の高さと圧巻の経験値を示す立ち上がり。

そして、今回もチームイーサンが大活躍。
輝く、ベンジーとルーサーのナイスサポート。
彼らがいなければ『ミッション・インポッシブル』は始まらないよね!
戦略、アクション、心理戦。
チーム・イーサンのリレーションシップの素晴らしさと活躍を今回も余すことなく堪能できた。

『ミッション・インポッシブル』といえば、どうしてもトム・クルーズの常軌を逸した(褒め言葉)スーパーアクションが話題にのぼるけど、根幹は濃密に綴られた構成や脚本、人物描写だと思っている。
今回は未知の技術がフォーカスされており、姿の見えぬ敵に対してイーサンパーティーが勇猛果敢に立ち向かう。

まぁ、そうはいってもやっぱりお目当ては予告で何度も目にしたバイクを使っての崖からの飛び降りシーン。
イーサン・ハント自身も「まじかよ?ここから飛ぶの??」って感じだったけれど、むしろ観客の方が「それ、まじで本人がやるのかよ!?」って。
常人ならば、あの断崖絶壁の上に立つだけでも恐怖心で足がすくんでしまうはず。
しかし、彼は飛ぶ。
劇場中からため息がでちゃうほどの桁違いなスタント、静寂が場を支配するのも憎い演出。
ここまで大規模になると芝居がどうとかそんな話じゃない。
トム・クルーズ=イーサン・ハント。
彼が意思を保つ限りは継続されるであろう生きる伝説の姿、感無量な気持ちを抱いた。

その他に特筆したい部分はやはりレベッカ・ファーガソンの存在。
過去作に続いての登場だったが、彼女のクオリティーの高さにはもう言葉がでないね。
イルサ役は彼女でないと意味がない!と感じさせるほどハマっている。
美貌もさることながら、アクションの質も段違い。
『ワイルド・スピード』のミシェル・ロドリゲスやシャリーズ・セロンが見せた剛の動きではなく、切れ味鋭い柔の動きと俊敏性に特化した格闘術。
ここまで華麗にこなす女優は稀有だろう。

Part2はいつ頃公開予定なのかな?
トム・クルーズの年齢を考えると次が最後になってもおかしくはないはず。
集大成としての位置づけになるんだろうね。
飽くなき向上心を有する彼のさらなる活躍に期待し、再び会えるその日を心待ちにしよう!
ハル

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