harunoma

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのharunomaのレビュー・感想・評価

1.9
"the usual suspects"
並行モンタージュの三つ巴の嵐だとして
果たしてこのポリコレ的選抜は妥当ではない(前作でもヴァネッサ・カービー(ベストはアバウト・タイム 愛おしい時間についてに尽きる)が顔役として気取って出た瞬間の前半部は大いに疑問(カービーは田舎のヤンキーのねえちゃんなのだから、キャサリン・ヘプバーンくらいに喋り倒せばいいはずだ)であったし、このシリーズでトム・クルーズ作では初めて1時間で途中退出した、後日配信で最後まで観ればまぁよかったのだが)

単独行動なる言葉もさることながら老齢のトムの欲望は見えない
もはや宿命の女、のためではなく行きずり感が強く、
掏摸は、喪に服す暇も復讐すら回避され、走る

冒頭の、名もなき、まばたきすらしない不気味な男が、AIの縦横無尽の意志のように、ヒョイヒョイと組織の深部へ現れ、CIA長官舐めの奥デアウトフォーカスからあの緑の爆弾をぶち撒けるくだりが、一番サスペンスフルであった

グレースというなら、それはグレース・ケリーしかいないわけだが、どうしたことか。
アナログへの回帰とはしかし、トム・クルーズそのものなのか。
フレーザー・タガートなる意味不明な撮影監督も厳しい。なぜロバート・エルスウィットではないのか。

ショーン・ハリスではないあの悪役(絵に描いたような金曜ロードショーの凡庸顔でかつ強いのが解せない)で二部作、
① ミッション:インポッシブル 1時間50分
1996
② ミッション:インポッシブル2 2時間3分
2000 M:I-2
③ ミッション:インポッシブル3 2時間6分
2006 M:i:III
④ ミッション:インポッシブル/ 2時間12分
2011 ゴースト・プロトコル
⑤ ミッション:インポッシブル/ 2時間11分
2015 ローグ・ネイション
⑥ ミッション:インポッシブル/ 2時間27分
2018 フォールアウト
⑦ ミッション:インポッシブル/ 2時間43分
2023年 デッドレコニング PART ONE

かつシリーズ最長は、ローマでのおもしろカーチェイス(『ナイト&デイ』の方が100万倍素晴らしい)ありでも長すぎる。
おそらく初めて見直さないミッション:インポッシブル(ながら見も含めゴースト・プロトコル以降は平均8回以上は見ている)の回になるとは。
クリストファー・マッカリーはトム専属になりすぎた。

配信で見直しても、やはり史上最低にニューキャラの顔が凡庸すぎる。ヒロインはあれに似ているから苦手だ。
メインテーマは反復し、二度も煮え切らない解散(いたたまれない解散)がなされ、都度この女は裏切って行くが、そう何回も肩透かしされても微妙だし、スリという軽犯罪に甘やかされ、そもそもレベッカ・ファーガソンの死を持って仲間になるなど、脚本上ひどすぎて、ない。
なぜこうどうでもいいディズニー風のアクションアドベンジャー映画に成り下がったか。列車の宙吊りもノーランの二番煎じ。
唯一面白い顔のポム・クレメンティエフを十二分には生かさなかったのも、あらゆるすべてのセンスを感じない。フランス語で。おお、実は最後までしゃべっていない。
PART ONE が冗長な布石であることを願う。
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