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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

2023/10/28鑑賞。54点。
Part2が公開される前のため、多くの謎や違和感を残してる本作。それらが全て綺麗に解決すれば良いが・・・。
パーソン・オブ・インタレストの『グリア』+『ルート』+『サマリタン』の要素にトム・クルーズというエッセンスを加えただけの作品。
10年前に公開しておけば良作、2023年に公開したら凡作って感じ。
脚本の内容や展開に意外性も新しさもないが、【エンティティ】を巡るそれぞれの関係性は面白かった。
キトリッジとデンリンガーはアメリカ政府の高官という同じ立場だが、【エンティティ】に対する考え方は違う。主人公・イーサンと宿敵・ガブリエルは敵対する関係にありながらも、似たような理由で行動している。【エンティティ】は誰の手にも渡るべきでなく破壊しなければならないと考えるイーサンと、【エンティティ】は人間に管理されず解放されるべきと考えるガブリエル。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
ベーリング海。
ロシアは、ステルス機能付き潜水艦【セヴァストポリ】で極秘の任務を進行させていた。
しかしステルス機能が起動せず、敵軍の潜水艦に感知されて魚雷を撃たれる。
【セヴァストポリ】も魚雷を発射するものの、実は敵軍の潜水艦もなければ、その潜水艦が撃った魚雷も存在しないと判明。
【セヴァストポリ】の艦長は発射した魚雷の停止を命じるが、魚雷はストップせず逆に【セヴァストポリ】に向かって来る。
【セヴァストポリ】は大破し、乗組員は全員死亡する。

アムステルダム。
CIAの長官・キトリッジ(演. ヘンリー・ツェニー)から連絡を受けたイーサン・ハント(演. トム・クルーズ)は、人工知能【エンティティ】をコントロールする2つの鍵を手に入れる任務を与えられる。
【エンティティ】の鍵の1つは、イーサンの友人・イルサ(演. レベッカ・ファーガソン)によってつい先日奪われ、彼女はイエメンに潜伏していた。
エンティティを手に入れたいアメリカ政府は彼女に懸賞金をかけており、イーサンはイルサを守るためにもイエメンに向かう。
イルサを狙う傭兵を倒したイーサンは、彼女から鍵を手に入れると、殺したように細工して守る。

ワシントンDC。
【エンティティ】はサウジアラビアが教育用に開発した高性能人工知能を吸収したことから自我を持つようになり、金融機関や企業のシステムに侵入を続けていた。
【エンティティ】は金融機関や企業に被害を与えていないが、裏を返すと"いつでもどんなシステムにでも侵入はできる"というメッセージでもあった。
アメリカだけでなく各国の政府が【エンティティ】を手に入れるために水面下で動き出し、一方で情報を守るためにネットワーク上の情報を印刷したり紙に書き記すことで対策しようと躍起になっていた。

国家情報長官・デンリンガーは、アメリカ政府の高官で構成された"コミュニティ"と呼ばれる組織の会議を開く。
イーサンはキトリッジの補佐官になりすまして会議の行われる極秘施設に侵入すると、睡眠ガスを撒く。
エンティティをコントロールすることが国益のためだと考えるキトリッジと、エンティティの危険さを知って破壊をするべきだと判断したイーサンは対立。
イーサンはキトリッジに変装をして脱走するが、この瞬間からアメリカに追われる身となる。

アラブ首長国連邦。
イーサンは、数少ない信用できる仲間・ベンジー(演. サイモン・ペッグ)とルーサー(演. ヴィング・レイムス)とアブダビ国際空港で落ち合う。
もう1つの【エンティティ】の鍵を持つスイス人バイヤーのオットーを尾行するイーサンは、オットーから鍵と暗号資産の入ったUSBを盗んだ女スリ師・グレース(演. ヘイリー・アトウェル)に気付いて捕まえる。
しかし、イーサンが目を話した隙にオットーは殺し屋のパリス(演. ポム・クレメンティエフ)に殺害され、鍵もグレースによって奪い取られて逃げられる。

ブリッグスら大勢のCIAの諜報員たちが空港内にいることに気づいたイーサンは、ベンジーとルーサーを守るため、グレースの追跡をストップして退散する。

イタリア、ローマ。
グレースの存在に気づいた【コミュニティ】の根回しにより、彼女は入国するや否や逮捕される。
イーサンは弁護士のフリをしてグレースを警察署から出してやるが、裏切られてしまい車で逃げられる。
グレースに追いついたイーサンだったものの、CIAのブリッグスや殺し屋のパリス、ローマ警察に追われ、イーサンとグレースは行動を共にすることに。

なんとか逃げ切ったイーサンたちだったが、再びグレースの裏切りに遭う。
そんなイーサンを迎えにきたのは、ベンジーとルーサー、そしてイルサだった。
イギリス政府もエンティティを狙っていたが、MI6は【エンティティ】の破壊を目論んでおり、政府管理下で表立って行動できないためイルサに鍵の回収を依頼していた・・・つまりイーサンもエルサもMI6も同じ考えで動いていた。

ヴェネツィア。
武器商人でありながら世界中の政府に保護されている武器商人・ホワイト・ウィドウことアラナ(演. ヴァネッサ・カービー)がドゥカーレ宮殿でパーティーを開き、グレースも参加すると判明。
イーサンとアラナは過去に面識があり、イーサンのことを"ジョン・ラーク"という裏社会の大物だと勘違いしていた。

パーティーに出席したイーサンとイルサの前に、グレースとアラナ、そしてイーサンの因縁の敵・ガブリエルと彼の部下である殺し屋・パリスが姿を現す。
そして、グレースに鍵を盗むよう指示を出していたのはアラナだと明かされる。
実はアラナも、別の黒幕に依頼されて【エンティティ】の鍵を狙っていた。

自分が知らない間に壮大な計画に巻き込まれたグレース、【エンティティ】を手に入れ最も自分が得をするように取引を運びたいアラナ、高度な知能を持ちながらも肉体を持たない【エンティティ】のために駒として働くガブリエル。
ガブリエルはあくまでも、【エンティティ】の命令にのみ従うと言う。

イーサンは、【エンティティ】を破壊することが正しいと伝えるが、アラナは聞く耳を持たない。

【エンティティ】の指示通りに動くガブリエルは、イルサを殺してグレースを見逃す。
パリスと戦って彼女を気絶させたイーサンだったが、その戦いに手間取ったせいでイルサを救えなかった。

世界中の諜報機関と【エンティティ】、ホワイト・ウィドウから追われる身となったグレースに、イーサンは3つの選択肢を与える。
ー死か、刑務所か、新しい人生かー
イーサンもベンジーもルーサーも、全員は元々犯罪者だったがIMFと出会って生まれ変わった。
新しい人生、つまりIMFの諜報員としてイーサンたちに手を貸すことをグレースは選ぶ。

2つの鍵のうち1つはグレースが、もう1つはアラナが持っている状況。

アラナがオリエント急行で黒幕と接触する情報を仕入れたイーサンたちは、グレースにアラナの変装をさせることに。
本物のアラナから鍵を奪い取り、黒幕から【エンティティ】を何のために利用するつもりか聞き出そうとするためだ。

オリエント急行に乗り込んだグレースはアラナを気絶させると彼女になりすまし、黒幕が座るシートに向かう。
黒幕の正体はCIA長官のキトリッジだった。
【エンティティ】を手に入れてアメリカのために使うことが正しいと信じるキトリッジは、愛国心ゆえに行動していた。
アラナのマスクを被ったグレースは、『グレースという優秀なスリ師がいる。あなたの役に立つだろうし、私(アラナ)と一緒に保護してほしい」と条件を提示しての取引を進めるが、正体がバレてしまう。
グレースがホワイト・ウィドウの部下たちに殺されそうになったその時、崖からバイクを走らせてパラシュートで飛び乗ってきたイーサンがグレースの命を救う。

【コミュニティ】のトップでありアメリカ国家情報長官・デンリンガーもオリエント急行に乗っており、ガブリエルに接触を図る。
デンリンガーはかつて、世界最強の潜水艦であった【セヴァストポリ】を打倒するため、高性能の人工知能を送り込んで自爆させた。その人工知能が学習して進化したものが【エンティティ】であり、沈没した【セヴァストポリ】のメモリに【エンティティ】のコントロール方法が記されていた。
デンリンガーの目的は、【エンティティ】を手中に収めアメリカを上回る大国の続きを築いてトップに君臨すること、そして【セヴァストポリ】の自爆に自身が関与した証拠を揉み消すことだった。

【セヴァストポリ】が沈没した場所を知る者を殺すように【エンティティ】から命令を受けていたガブリエルは、デンリンガーを殺害。
そしてデンリンガーとのやりとりを聞いていたパリスのことも殺そうとするが、パリスは抵抗。
だがパリスの胸にはナイフが突き刺さっていた。

イーサン、キトリッジ、ガブリエルによる鍵を三つ巴の戦いが繰り広げられ、イーサンとガブリエルが因縁の対決を果たす。
イルサだけでなく、IMFに入局する前大事な人をガブリエルに殺された過去を持つイーサンは、彼のことを殺そうとするが思いとどまる。
しかし、ガブリエルには逃げられてしまい、さらにはあらかじめガブリエルが仕掛けていた爆弾が爆発して、列車が破壊される。

オリエント急行に乗っていればイーサンを逮捕できると読んでいたCIAのブリッグスと相棒・ドガは、列車の乗客たちを救うため一時的にイーサンと手を組む。
そして、列車の爆発により死にかけたイーサンとグレースを、パリスが救う。
ヴェネツィアで自分のことを殺せたにも関わらず命を奪わなかったイーサンへの恩を返したのだった。
パリスは、海底に沈んだ【セヴァストポリ】で【エンティティ】の鍵を使うことができることを伝えると、気を失う。

ブリッグスはイーサンを逮捕しようとするものの、パラシュートで列車から飛び降りて逃げられてしまう。上司であるキトリッジが武器商人・アラナと一緒にいたことへの不信感やイーサンが乗客を救おうとする姿を目の当たりにし、彼を危険人物だとは思えずに撃つことができなかった。

列車に残ったグレースは、キトリッジに対して『イーサンが選択肢を与えてくれた』と伝え、IMFの諜報員になる意思を示す。

逃げ切ったガブリエルは【エンティティ】の2つの鍵を手に入れたことを喜ぶが、実はイーサンによってすり替えられていたことに気付く・・・。
2つの鍵を持つイーサンは引き続き追われる身だが、【エンティティ】を破壊するためにベンジーとルーサーと共に行動する。
(続編に続く)
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