よしまる

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのよしまるのレビュー・感想・評価

3.2
このシリーズにはあんまり思い入れがなくて、監督により毛色が変わる面白さもトムの発言力が増すにつれ平坦化、良い意味ではクオリティが確保されているとも言えるけれど、例えば007みたいな破天荒さ(あえて言うなら馬鹿馬鹿しさ)は失われたように思う。そのうえ今回はJJが外れたとのことで幾分の不安もありw

しかしながらマーベリックでノリにノッているトムのこと、何かやってくれるのではないかと見逃すことは出来なかった。

で、蓋を開けると、ウーム、ちょっとアクションを見せることに躍起になりすぎてはいまいか。
もともとドラマを楽しむ映画ではないことは承知している。
とはいえ、アクションにもそこに体を張る値打ちがあるかどうか、絶対絶命を乗り切れる伏線は仕込まれているか、そういうのあってこそだと思うんだけどな。
既視感のあるアクションシーンもいくつかあって、ラストの最大の見せ場が列車ですか。それもどっかで見たシチュエーション。「トムー!こんなの見たことねぇ!!」とは、残念ながら言わせてくれない。

例の崖っぷちダイブのシーンもなんか違和感あるなーと思ってたら、YouTubeでメイキングを見つけて、なあんだ、めっさ金かけたジャンプ台をCGで崖に見せてるだけだった。イヤ、ダイブ自体はすごいよ。
何度もパラシュートで飛ぶの自体、そうそう出来るもんじゃないし、あんなの60超えて自分で飛ぼうと思うのがは素直に尊敬する。それにあんなところに資材運んで何十人もスタッフ連れて一体幾らかかるねん?!まったく映画作りの情熱のなせる技だ。

であればこそ、なんかCG合成が邪魔をして、全然ハラハラしない。なんならメイキングの方が数倍面白いしドキドキする。
それって映画としてどうなのよ、、。

ほかのアクションも含め、そんな都合は気にしないというトム流を貫いてるのが萎えポイント。トム自身は本物かもしれないけれど、周りの景色やギミックはこりゃCGだよね、というわかりやすさも興ざめに一役買っている。

では話が面白いかと言うと、基本的にはマクガフィン臭い鍵の争奪戦のみで、テンポは良いものの中身は薄い。というか、2部作だからとあえて伏線だけ張ってる感じ。 総じて肩透かし感が半端なかった。
世界最大の危機が訪れる、みたいな話にしては特別緊迫感もないまま「次回もお楽しみに♡」と言われても。

あまりにコケたので同時撮影という触れ込みだった続編は練り直しとなり、ゲンを担いだのか今年に入ってついに本作の原題から「PART1」の表記を削除してしまった。

気持ちは分かるけれど、本作がPART1
じゃないのなら一体何なのだ?てなるよね。それも次作を観ればなるほど!と言えるようになることを期待して。
心配しなくてもちゃんと観るから!