今作でも大暴れのイーサン。橋の上での悲劇や列車での立ち回りはシリーズ1作品目のオマージュに見える。
かわいらしい車を乗りこなすと言うより振り回されるシーンや列車から落ちそうになるシーン、バイクでジャンプするシーンが印象に残った。長編的な映画だが要所に見どころが詰まっていて飽きさせない工夫が見られる。
設定も私好み。超進化を遂げたAIがイーサンを潰しにかかる、イーサンはそれを破壊するため奮闘するという現代チックなストーリー。ターミネーターはじめ使い古されたテーマだが、このシリーズでは主人公サイドが積極的に情報やハイテク機器を利用するため、それらを封じるAIは天敵である。これまでの敵もなかなか強大だったが、ここでAIを敵にするところがナイス設定だと思った。
少し期待はずれなところもいくつか。
上述の通りAIが強いせいでルーサーやベンジーが今作ではあまり役に立てていない。またハイテクなスパイアイテムにも今作では驚かされなかった。私は頭が硬い方なのかもしれない、今までのお約束が少ないとちょっと魅力が減ったように感じてしまう。
またストーリーも分かりづらい。IMF(CIA)サイドの人間はそこまで重要でもないのにちょっかい出してくるのも今ひとつ。敵のボスとイーサンの確執も掘り下げが今ひとつでモヤモヤ。これがパートワンなのでさらにモヤモヤ。
実際楽めたのだが、シリーズとして見ると他の作品より見劣りしてしまうというのが私の感想。やや厳しい評価で心痛いが、続編で盛り上げてほしい。