フライ

海山 たけのおとのフライのレビュー・感想・評価

海山 たけのおと(2019年製作の映画)
4.0
カリフォルニア生まれのアメリカ人が、1970年代初め、日本の楽器、尺八の音色に惚れ込み来日し、尺八業界に新風を吹き込み大成を成した人生を、息子が監督として製作したドキュメンタリー映画は、とても感銘を受ける素晴らしい作品。

ジョン・海山・ネプチューンと言う尺八奏者の半生を描いたストーリーは、彼が関わって来た師範や仲間、知人、音楽関係者や家族が、彼の歩んできた苦労や偉業を語ると同時に、彼が経験し積み重ねて来た尺八や音楽哲学を教えてくれるドキュメンタリー。彼の素晴らしさは、尺八奏者としての偉業だけでは無く、製作者としても超一流だと言うこと。そしてそんな彼の輝かしい音楽家としての裏にある苦悩を、息子のデビッド・ネプチューンが、監督として生々しく見せてくれるのも見所。

本作は、ジョン・海山・ネプチューンと言う人物の素晴らしさと、尺八の音色の美しさに、とても興味をそそられる作品であると同時に、良く耳にする日本人にしか出来ないとか、日本人だから出来たと言う言葉がとても滑稽に感じたし、身近な所を含め色々な分野で、日本人が見直さなければならない部分や、生き残るためのヒントがある様に思えたのも面白さの一つ。
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