ひれんじゃく

コリーニ事件のひれんじゃくのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
4.5
びっくらこいた。素晴らしい。だんだん仲間が増えてピザ屋でバイトネキがちゃっかり助手に昇格してたのめっちゃくちゃ良かった。一貫して父親という存在にスポットが当たってるのも。以下ネタバレ。
















社長を殺害した容疑者の裁判、その謎に満ちた動機を解き明かす………はずが、いつのまにかナチスが犯した罪を裁く裁判になってたのがすごいなあと。まじで。ナチスドイツを扱ったドイツ映画は多いけど、そこまで自国が犯した過ちに向き合えるってすごくないか。日本が植民地にしたことと真正面から向き合った作品ってあるのかな。邦画とかさっぱりなのでわからないけど。
戦争が終わって、法が味方したらもう裁かれなくていいのか。いくら虐殺をしていたとしても、もう罪には問われないのか。そもそも、法はなんのためにあるのか。たんにひとつの殺人事件に、ではなく、法の意義全体にスポットが当たっていて固唾を飲んで見守ってしまった。父親を虐殺したからって相手を殺して良いという訳では決してないけど、何のために生まれたのかよくわからない法律の前に訴えが退けられた時の気持ちを考えるとやるせない。法がきちんと機能していればこの事件は起きなかったのではないか?
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