真鍋新一

The Deadの真鍋新一のレビュー・感想・評価

The Dead(1960年製作の映画)
2.9
今だったらこういう映像の作り手は、同じくアバンギャルドを志すミュージシャンのPV監督として作品を残したりするのだろうが、まだジャンル同士の出会いがまだ始まっていない頃の孤独な無音の映像、という感じがある。

ネガポジ反転と二重露光を繰り返したチカチカした画面が続くなかで、ふいに色のついた映像に流れていくところは少しハッとさせられた。街を歩く人、街の片隅で座っている人はすでに死人のようである。そしていつか、みんな墓地で眠るようになる。自分は将来ちゃんと墓地で眠れるのだろうかと、少し不安になった。
真鍋新一

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