あざらし

大奥のあざらしのレビュー・感想・評価

大奥(2006年製作の映画)
3.4
「女たちの欲望と嫉妬が渦巻く大奥」

正徳3年。
町に清から来た金魚が行列で通ります。それは上様への献上品でした。小さな女の子は上様にと風車を差し出しますが、大名行列ではそれをはねのけます。

その時、男前な男性が風車を拾い…

江戸城では表、中奥、大奥とあり、その中でも中奥で政ごとはなされていました。

能役者あがりの美男である間部越前守詮房は表の政のみならず大奥にも権勢を奮っていました。
それに対抗する老中 秋元但馬上喬知はいつか彼を追い出そうとしていたのです。

しかし、大勢の女性たちがいる大奥の上様:徳川家継はまだ5才の幼児でした。

その家継の母親:月光院に対立するのが、先代将軍・家宣の正室である天英院であり、2人は大勢のお付きの女性たちと共に小競り合いをしています。

実際にあった絵島生島事件を元にしたストーリーです。

豪華絢爛な着物がずらりと並ぶだけで見応えのある映画でした。

しかし、背景は女同士の欲の闘いだらけの大奥です。
綺麗な着物を着ても、豪華な暮らしをしていても精神的に豊かな環境でなければ地獄も一緒ですね。

当時の美しい女優さんたちがとても映えていて素敵ですが、それとは対照的に不愉快な事柄も多い映画です。

大奥という封鎖された世界では、そんな環境になるのも仕方のないことかもしれませんが、のんびり気楽な生活をして好きな恋愛をしている方が何倍も幸せだなと思ってしまいました。
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