M

花と雨のMのレビュー・感想・評価

花と雨(2019年製作の映画)
5.0
普段曲を自分も作ってるから理解できるし、より心を深く抉るような刺激があった。
主人公の独りよがりで、誰にも理解されない事を誰かの所為にして。結局、他人に「周りが見えてない」と突き放されて一人になって。
その繰り返しの中で、やっと少しずつ周りと自分が見えてくる事こそが本当の「リアル」なんじゃないかな。
自分がそういう音楽が好きだからという誰かの音楽論に合わせて曲を作っても、それは自分の曲じゃなくて誰かの曲で。
だから、いつまで経っても自分の曲にならない。
ただ、少しずつ自分が分かって、どんな音楽がやりたいのか分かってからやっと「自分の曲」になれて。

傷だらけの等身大で、背伸びしない自分自身を書き写す事こそがリリック。
本当の音楽の在り方がこの映画にはあると思いました。
M

M