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花と雨のパピコのレビュー・感想・評価

花と雨(2019年製作の映画)
2.9
ラッパーSEEDAが「花と雨」という楽曲を作るまでの物語。
ラップにフォーカスを当てずに、主人公が悩んでもがき苦しみ、自らのリアルをさらけ出そうと苦しみます。

主人公は海外育ちで、海外では人種差別、日本に帰ってからは調子に乗ってるといじめられ馴染めず日本社会に閉塞感を感じている。
HIPHOPに出逢い自らの自己表現の手段を得るが、うまくいかず行き詰まる。
そこで薬の売買に手を出しのめり込み、音楽から離れていく。仲間も家族とも距離ができ落ちていく主人公。
姉だけが世間との接点。しかし姉の異変に気付けず姉は帰らぬ人に。
そこからまたHIPHOPに向き合い「花と雨」につながる。

↑ストーリーとしてはSEEDAを知ってたら知ってるようなエピソードなのだと思う。
知らない人からしたら全然ラップ出てこなくて薬の売人の話かと思うくらいの割合。
しかしこれがこの時のリアルだったんだと思う。

説明が少なく感じ取るしかないので、正直なぜそんな行動を取るのかわからないシーンも多い。
全てのシーンが淡々としていてエモーションをなかなか感じにくく、エンタメとしては…。

ただ全編通してとてもきれいな映像で、監督のこだわりを感じられます。(普段は映像ディレクターの人が監督)
音楽シーンの笠松将のラップは様になってます。劇中の中での成長も感じられます。

笠松将の存在感がすごいです。
無言で存在するだけで画面が成立する。
姉の履歴書を見て、泣きながら履歴書にリリックを書くシーンは圧巻でした
どの作品で見ても爪痕を残してる気がします。
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