不器用な片思いには驚きがつきもの。
それに、モテる人間は無意識で無自覚なのはお決まりなの。
お店に寄るけど、いい花屋さんって喫茶店やバーの店主よりも聞き上手だし、距離の取り方が絶妙。
だから、主人公がモテるのはよくわかる。
ここで描かれる恋愛のどれもがネガティブに感じられないのは、今泉監督のマジックによるものだと思う。
そして、絶妙に「ある」けどほとんど「ない」ことにされるような状況が扱われているなと思った。
始まりもしていない不倫、女子中学生の憧れなのか恋愛なのか微妙な時期の告白、中学生が成人男性に抱く恋愛と取り違える憧れ。
そこに年齢さこそわからないけど、憧れスタートであろう恋愛が終わりを告げる。
色んな花をゆっくり選んで、最後にまとめて花束にしたみたいに。
