なんて邪気のない可愛らしすぎる映画なんでしょう。
ラブコメってモテ男がモテる理由を説得力をもって描くことが最大の勘所なんだけど、今作はそこが完璧で田中圭さんの一挙手一投足がいちいち魅力的。そしてその魅力をしっかりとヒロインが手紙のかたちで言語化し告白する。
たくさんの告白が出てくるが、好きの言語化という意味では木帆さんの告白だけかも。木帆さんは好きにエゴが介在していることも咀嚼してきちんと伝えたもんね。
一方、他の告白はちょっぴりエゴイスティックむきだしで言葉足らずだったりもする。でも今泉監督はダメだろ!って完全否定しない。全てを優しさで包み込んでいる感じ。
脚本センスは相変わらず抜群で、ともさかりえさんの告白シーン志田彩良さんが気持ちを伝えられないシーンなんかは東京03のコント見てるみたいで声出して笑ってしまった。あとは志田さん告白未遂を一部始終見たうえで白鳥玉季さんの「なんか面白かった」発言からの毛量が多い似顔絵もなんかツボ。
ともさかさんシーンは明らかに笑いのハイライトなくせに、あの夫婦に真正面で反論しようとすると意外と難しかったりする。こういうところも今泉脚本は油断ならないよね。