木野エルゴ

ワイン・コーリングの木野エルゴのレビュー・感想・評価

ワイン・コーリング(2018年製作の映画)
2.8
フランスのルーション地方で、亜硫酸塩などの添加物に極力頼らずワインを作る自然派ワインの醸造家たちの物語。
石垣を組み合わせた足場の悪い畑でトラクターを使わず、馬を使って畑を手入れしている。近隣の醸造家たちで力を合わせてブドウを育て、時には宴を開く。気軽で楽しそうに見えるかもしれないが、その実は常に分析と試飲を繰り返し、試行錯誤しながら気まぐれな自然の成果物に朝から晩まで対処し続けている。大量生産は難しく、価格も通常の生産方法で作ったワインよりも割高。当然利益は薄く、続けることは難しい。
それでも、有害なものを含まない軽くエレガントなワインを目指して作り続ける。

全てを自然に任せることが必ずしも正しいとは言えず、添加物や化合物は長年研究されており、身体に害がない数値はある程度確立されている。ただし、利益と効率優先で必要のない薬剤や工程が含まれていることも事実。自然と人工的なもののバランスを模索し続ける、この作品に出てくるような小規模農家の努力が業界を支えているんだろう。

自分は下戸なのでワインは殆ど飲まないが、作り手の工夫や苦労が見えると自然に愛着が湧く。
木野エルゴ

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