【2001年キネマ旬報日本映画ベストテン 第7位】
古厩智之監督作品。WOWOW製作による「J・MOVIE・WARS 5」のうちの1作で、主役を演じた沖津和以外の子役は現地のオーディションで集められた。
すっごくいい映画。『スタンド・バイ・ミー』を類似作としてあげている人がいるが、まさに日本版『スタンド・バイ・ミー』だった。特に後半。
前半はとにかく先生のキャラクターが強烈。生徒のランク付け、体罰・・・『女王の教室』?と思いたくなる思想強めの担任に釘付け。面白い。
自分も小学校の時にそういうのあったことを思い出した。一日に必ず授業中に発言しなければならなくてそれができなかった。発言した者から名前が消えていくが、僕の名前は最後まであった。本当にイヤだった。発言することがそんなに教育上いいことなのか。
古厩智之、監督として非常に上手い。調べてみると一時期話題になった『のぼる小寺さん』の監督なのか。なるほど、これは腕ある。
つい大人へ反抗してしまう思春期の少年たちを詩情豊かに描く。日差しが美しく、少年たちもこれ以上ないほど情緒的に捉えられている。
青春映画として完璧。カメラワークも素晴らしく、メリハリがしっかりある。欠点を見つけるのが難しい作品。
あえて言うなら音楽の主張が激しすぎることだろうか。いきなり大音量で流れ出すのでちょっとびっくりした。
初の古厩智之作品だったけど、かなり腕がある作家だ。まだ新作があるらしいので観てみたい。