豚肉丸

Instructions for a Light and Sound Machine(原題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.5
『続・夕陽のガンマン』を原型を留めない程に再編集した短編映画

『Outer Space』や『Dream Work』程ぶっ飛んでいる訳でもなく、かと言って落ち着いている訳でもなく、ペーター・チャーカスキー監督作の中ではコンセプトもハッキリしていて見やすく普通に面白かった。西部劇映画の代名詞とも言える『続・夕陽のガンマン』をバラバラに切り取って様々なモンタージュで繋ぎ合わせて、映像を合成させ、点滅させ、反芻させ、映画における「物語としての映像」を徹底的に消失させて銃撃、顔、疾走などの「要素」をモンタージュとして再構成することで新たな映画を作ることに見事成功している。しかも西部劇としての体裁は整っており、原型を留めない程ぐちゃぐちゃに壊しながらも『続・夕陽のガンマン』への愛というか、原作が持つ力を疎かにしていないのも面白い。

ペーター・チャーカスキー監督の作品のテイストはどれも似通っているのに、いざ本編を見てみたらどれも違った面白さが感じられるのが凄い。面白かった!
豚肉丸

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