shalala

トールガールのshalalaのネタバレレビュー・内容・結末

トールガール(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

私も高身長(50代178cm)だから、気持ちがわかる。

今でこそ女性の高身長むけの服も多くなっているが、昭和の時代に、女性で中学1年の身体測定で170cm超えた時は泣いた。
最終的に高校2年で178cmで止まるまで、映画の中のようにホルモン注射をうちに(当時の)ソ連に行こうかと、本気で思った。高身長だから、足のサイズも大きい(26.5㌢)ので、25㌢を超えた時点で当時から靴は男物だ。

私は背の低い人が羨ましかった。
低い人はヒールでいくらでも高く出来る、後付けで身長を操作できるなんて最高じゃないか!
背が高い私は、地面を掘って歩くことはできないから。
私の身長に驚く人は、まず頭の上まで見る。そして一旦視線を足に落とす。ヒールを履かずぺったんこ靴を確認したあと、再度、上を見て「おっきいなー。2メートルくらいある?え、バスケかバレーやってた?」と言う。この質問は50代になった今もあからさまに、人前であっても平気で行われる。詳細な身長を聞いてもくる。そして、背が高いとスポーツが出来て当たり前、バスケやって当たり前と思ってる時点で、失礼なんです。私は心の中で今も思う。『あなた方は、太った人に、“体重100㌔超えてるやろ。相撲やってた?”と言うか?。ハゲた人に“えー、ツルツル!絶対お坊さんになれる!”というか?』と。なぜ高身長は揶揄していいんだ。そんなバスケかバレーの質問をしてくる人は「そうだ」と言って欲しいから、望みどおりの答えをしてあげている。なぜなら、違うと答えると、更に続くからだ…さも自分が最高のアドバイスに気付いたように“なんで?絶対バスケ(orバレー)した方がいいよ”と、高身長の話題が続くからだ。肥満やハゲの人に対して、いつまでもその話題は振らないのに、高身長にはしつこく言う。
ほんとデリカシーがない。嫌いだ。

あと「何食べて大きくなれた?」の質問。いや、なりたくてなったんじゃないから。
長身は遺伝要素がほとんどだから。私は父(182cm)を恨んだ。
よく、モデルみたい、とか羨ましいとか言われるが、いやいや、日本において男より高い女はデカイと言われるんですよ。女性の皆さん、本当に178㌢になりたいと思ってますか?ここまで大きくならなくていいと思ってるでしょ。せいぜい、たまにヒールも履ける160㌢ちょいでしよ。
男女(おとこおんな)と言われ、デカイ女は可愛くないと学校の先生にも言われ、上司から俺を見下ろすなと言われ、小中高の学生時代は男子生徒から怪物扱いされた。

見ず知らずの人から、街なかや、スーパー、電車の中、いつも(いまでも)いやでも視線を集め、『デカ』『大っきい』『えー、180!』と言われる。聞こえてるからね。背が高いのが羨ましいとか、適当なこと言う人も嫌い。

令和になってようやく、高身長という身体的特徴に対して何か言うことはハラスメントだという認識が出てきはじめた。本当にいい事だ。
ハラスメントにカテゴライズせずとも、親しくもないのに、あけすけと、身体的特徴に対してそもそも言う必要はない。言わない人は、昭和の昔から一定数いた。その人たちは傷つくことは言わない。人格者がおおい。そして元々多様性を認めている人だ。

ハラスメントや多様性(SDGs)を大きく言い始めた令和。この波がもっともっと大きくなり、傷つく人が少なくなっていくことを切に願っています。

いまも高身長ハラスメントで傷つけられる50代女性178㌢より
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