Junko

ファミリーのJunkoのレビュー・感想・評価

ファミリー(2018年製作の映画)
3.8
ずっと観賞したかった作品。
ジャガロ(インセイン・クラウン・ポッシーの過激なファン)を絡めている作品と知り、ジャガロを色々と調べてから観賞。
インセイン・クラウン・ポッシーはホラーコアデュオ。
ラップの歌詞がかなり過激でFBIから彼らのファン(ジャガロ)はギャング認定されている。

作品としては空気が読めないが仕事が出来る主人公が姪を預かる事になり…というかなりシンプルな内容。
オープニングが良かった。
全体的にカラッとしている雰囲気で淡々と物語が進む。
演出等もかなりシンプルで分かりやすい。
このシンプルさが主人公、姪、そして様々な人のそれぞれの問題を上手く分かりやすくしていて良かった。

主人公は悪気は無いが思った事をそのまま口に出してしまう。
分かってはいるが周囲を傷つけていく。
主人公の様な人が身近にいたら困る部分もあるが、主人公の視点に立って考えると分からなくないなぁと思う部分も多々。
姪も学校で疎外されていて似ている部分がある二人。
それぞれの問題の背景が分かった時、ホロッとなった。
上手いなと思ったのは、脇役それぞれの抱えている(もしくは抱えていた)問題も表面的にはサラッと描いていた事。
サラッと描かれているがかなり根深い個々の問題点や悩みに焦点が当たる様になっていて、登場人物それぞれに感情移入して観やすい作りになっている。
そしてジャガロを絡ませる事により、後半は成る程なあ…という作り。

ジャガロについては色々と思う事はあるが、どんな分野やジャンルでも自分自身の受け皿になってくれる存在に盲信して浸かってしまう時はあるものだなと。
それが行き過ぎてはいけないけれど。

ダンスパーティーにパンツスーツはクールなのに、正装じゃないなんてクールじゃないね!
(このシーンはかなり重要だなと思った。正装を変えてやる!と行動に移すタイプの人はジャガロとは真逆なのかも?)

正しさ普通さって大切だけど、みんながみんな同じである必要とは?という事もサラッと描かれていた。
個性を大事に自分が自分らしくいられる世界(時間)を一日の内に一時間でも持つ事が大事だなあ等と考えたりした。
Junko

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