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失くした体のatm09strsksのレビュー・感想・評価

失くした体(2019年製作の映画)
2.5
アダムスファミリーのハンドの物語、ではない。
ラボの冷蔵庫から逃げ出した「手」が自分の身体を探しながら過去を回想する物語。
最初はホラー味たっぷりに始まるのだが、回想が進むにつれて青年(本体)の淡い恋のお話に変化する。
ピザ屋の配達人だった彼は、インターフォン越しに話しただけの彼女を忘れられず、図書館勤務という手がかりだけで彼女の職場を突きとめる。そして孤児であることを不憫に思った彼女のおじさんの計らいで、おじさんの工場に住み込みで働くようになる。
恋する若者特有のパッショネイトな行動力である。
彼女にいつか、自分はあの時のピザ屋だった事を伝えたい、そんな気持ちに突き動かされてコツコツと行動する彼。
そしてついにその日が来た。
「手」はその日何が起きたかは知っていても、その後事故で「手」と本体が切り離されてから本体がどうなったか知らない。
あの思い出の場所に行けば何かわかるはず。「手」は必死にその場所を目指す。

外国アニメ特有の、のっぺりした塗り方が話の雰囲気にあっていてとてもよい。終わり方は「どう捉えるかはあなた次第」といった感じのいかにもフランス映画っぽいラスト。

そういえば昔、アパートに手だけの幽霊が出て、住人の男性を甲斐甲斐しく世話して、みたいな漫画があったような気がする。なんだったか。
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