Netflix配信作品。
主人公は切断された"手"。
体を失くしてしまった彼は帰るべき場所へと向かう。
その道中でだんだんと鮮明になってくる記憶。
ハエをつかもうとした手。
ピアノを弾いていた手。
マイクを手にした手。
インターホンを鳴らした手。
イグルーを造った手。
そして、彼は途中で知る。
もがきながらようやく得た愛を、自分は失ってしまったことを…。
彼が旅の果てに見るものは絶望か。それとも、微かな希望か。
この作品の素晴らしい所は、手に表情を感じられるところだ。
もちろん、顔がついているわけではない。
だが、指の動きやたたずまいから、色々な感情が伝わってくる。だからこそ、彼が体験する、線路の影のネズミや赤ちゃんの指の中などの非常にミニマルな世界に想いを馳せることができた。
何かを得るなら飛べ、と言われたような気もした。
小さな宇宙飛行士が旗を追って応援してくれている。
是非暗い場所で観てください。