このレビューはネタバレを含みます
ノーベル物理学賞と科学賞の、2度受賞を果たしたキュリー夫人。これは人類史上初の快挙で、現在も同賞を2度受賞したことのある唯一の女性なんだそうです。
映画を観る前に、少しお勉強してから観るといいかもです。
物語は、夫と出会うところから始まります。
女性の研究者が、まだまだ認められていない時代に、彼との出会いは、彼女にとってラッキーだったと思う。
その後結婚し、夫と共に発見したポロニウムとラジウムは「世紀の大発見」と称賛された。これが、原子核物理学の始まりです。
放射性元素の発見は、癌の治療に貢献するという輝かしい功績の陰で、核兵器として戦争の道具として使われるという事態に・・・。
人間って、とっても愚かな生き物ですね。
癌の治療ができるものを戦争の道具として使おうとするなんて。
皮肉なもんです・・・。
広島やチェルノブイリのシーンが出てくるんですが、彼女の発見が、ここに繋がるのかと思うと、複雑な気持ちになります。
愛する夫との死別、女であること・移民者であることからの差別、迫害、そんな彼女の苦悩をロザムンド・パイクが熱演します。
若き日のキュリー夫人から晩年まで、素晴らしい演技でした。
キュリー夫人が亡くなった時、手は火傷状態、自身は被曝していたそうです。パリにある研究所は、放射線で汚染されていたと。今は汚染除去が施されていて、公開されているそうなので、いつか行ってみたいです。