まる

キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱のまるのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

圧倒された。大満足だった。
あの時代に、あそこまで活躍できるのは本当にすごい。
紛れもなく、マリさんの能力の賜物。
男性の後ろ盾がないとやりたいことも満足にできないとういのは理不尽だし悔しいし辛い。
映画では描かれてない嫌がらせとか何度も受けてたんだと思う。
着眼点、洞察力、情熱、体力が圧倒的にすごい。
朝も夜もなく寝食忘れて研究に没頭してたんだろうな。
人に弱いところを見せないだけで、本当は傷ついてた。
でも、どんだけ誹謗中傷受けてもへこたれない打たれ強さが本当にすごかった。
芯がしっかりあるし、強かった。
誹謗中傷する人らの方がよっぽど下劣だと思った。
女であること、移民であることを理由に敬意を払われないことが、見ていて辛かった。
その点ピエールは素晴らしい人だった。
あの時代の社会が最悪だっただけ。
"マリ・キュリー"としてではなく、"キュリー氏の夫人"、として有名になってるのも、なんだかモヤモヤする。
その反面、ピエールと二人の功績であるということを感じられるのは良いなと思う。

新発見の凄さや尊さを他人に分かってもらえるのって、本当に大変だし時間がかかるとこなんだなと知った。
その価値が分からない人が、マリの敬意を傷つけてたんだろうな。
失敗から人は学ぶけど、犯してはいけない間違いもある。
目先の利益のために、その間違いを起こしてしまうのが人間の弱いところだと思った。

見つけ出した物、生み出した物の責任を負う、逃げない、自分のやり方で戦うという姿勢が本当にかっこよかった。
研究者の倫理がしっかり形成されてた。
マリさんの発明によって多くの命が犠牲になったけど、それより遥かに多くの人が救われてる。
発明によって引き起こされた悲劇もしっかり描かれてたのがよかった。
あと、洋画なのに広島の再現度がめちゃくちゃ高い。(たぶん)
ピエールの、闇を見るばっかりじゃなくて、希望に目を向けたいと言ってたの、すごくよかった。
ノーベル賞のスピーチでマリさんとの功績であることを明言したり、新発見の悪用を懸念する考え方も立派だと思った。

エンドロールの紹介も面白かった。
イレーヌの功績、知らなかったのだけど、親子でぶっ飛んですごかった。
会議の写真に女性がマリさんしかいないの、現実突きつけられた。
戦地でイレーヌの仕事に敬意を持ち、信頼するの凄かった。

人間として、女として、母としてのマリさんが見れたのも良かった。
愛しかない。
あと、女性の性欲を肯定してるのも良かった。

今でも残ってる色んな差別をなくしていこうと思った。
まる

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