ラピュタん

キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱のラピュタんのレビュー・感想・評価

4.4
天才の献身についての敬意ある力作

原題はRadioactive
少々もじっていえば
キュリー夫人の行動がradical of action (和製?で失礼💦
研究の成果が現代まで時空を超えて届いているという意味にもとれそう

ロザムンド・パイクは、知的でありかつ芯の強い天才科学者を好演していました! 
簡単なことではなかったと思います

夫であり天才科学者でもあったピエール・キュリーの優しさにもしびれます

不器用で猪突猛進なキュリーの研究はこの旦那さんの共同研究がなければ思うように進まなかったのでは、というところもちゃんと描いていて良かった

強情で、些末なことや儀礼に無頓着な、努力の天才をとんがったまま描いていてよかった、返って爽やかでした

「わたしは、ピエール・キュリー」と名乗られた初対面のシーンで、間髪入れず
「ありがとう、さよなら」と踵を返すマリ…
コミュニケーションが不器用で、もう可愛らしくさえありました
一方で、教授に一歩も引かない強さと自信にも拍手〜パチパチ

科学者一族の出自のキュリー夫人のすごいのは、娘をちゃんと一流の研究者に育て上げたこと
ん〜、理想の母だったの?個人的には目下これが最大の謎です☺️

焦点は?
偉業を成した科学者の「献身」についての映画と思いました
夫妻や、娘夫妻の活躍が現代の医療を支えているのですから、富や名誉を目的としない彼女(夫妻)の猪突猛進には本当に感謝しかありません
科学者は池に石を投げ入れることはできても、その波紋まで制御することはできない…
放射性物質の負の影響を受けて仲間が次々に病に倒れますが、キュリー夫妻も例外ではなかったのは切ないですね
また、もっと巨大な負の側面も夫人の死後に現実化します
でも、安定と思われていた原子が崩壊しうるなんて!当時は地動説が招いたような衝撃があったのではないか、などと(想像です、自分は詳しくありません)感心しました

地道に努力を続けることの大切さと美しさが描かれていましたし、実践する人への敬意に満ちた作品でした 
元気がもらえると思います


老若男女を問わず!
中高生、特に受験生は是非是非
家族で観ると良いのでは?


⭐️パイクさんの美しさったら
 凛とした彼女の魅力が堪能できる作品💚
 年老いたときでさえ美しい!
⭐️炎🔥をバックにプロポーズ
 台詞もよくて魅せられたシーンです
⭐️実験器具が、たくさん
 ビーカーとかガラス製の器具が雰囲気を盛り上げます
⭐️様々な建物の屋内にも見応え
 ロケが贅沢でした
⭐️挿入される核のシーン
 広島、ネバダ、チェルノビル
 唐突ではなく自然に紡がれていましたし描いてくれて、良かった🍄
⭐️細部までリアルかつ贅沢に
 テーブルに置かれた小物、ソファなどの調度品、ドレス…細部まで手抜きなし
⭐️スキャンダルの解釈も、なるほど…
 それほど頓着がなかったのかも?天才に奇行はつきもの、ではなくてよかったとわたしは思いました😌

*radical
 過激な,急進的な、革新的な
 radio とは違う意味なのですが…
 
 
ラピュタん

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