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ファイアー・ウィル・カムのlpのレビュー・感想・評価

ファイアー・ウィル・カム(2019年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭にて鑑賞。

今年もいよいよ開幕した東京国際映画祭!
2019年のTIFF1本目はワールドフォーカス部門より、今年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で受賞したスペイン映画の『ファイアー・ウィル・カム』。
上映作品が少ない映画祭初日は、ワールドフォーカスの中でも注目度が高かった今作を鑑賞することに。
しかし、上映開始早々に機材トラブルが発覚!したのだけど、何とビックリ音が出ない!観客全員がスクリーンの外に一旦出される珍事に巻き込まれることに。上映再開後は無事に最後まで鑑賞出来たけれど、まさかTIFFで映画を観終わって最初に感じることが、最後まで観られたことへの安堵になる日が来るとは思わなかった。

さてここからは本編について。
山火事を起こして服役していた男が村に帰ってくるところから、物語が動き始める。温かく迎え入れる母親。冷たく接する村人達。男の過去を知らない女性との交流など、男と周囲との関わりを映画は静かに積み重ねていく。
「男が犯した罪は赦されるのか?」という問い掛けのようであり、「主人公の男が何者であるか?」を観客に考えさせているようでもある。シンプルなストーリーながら、内容には奥行きが感じられる。

映像も素晴らしい。
雄大な自然を捉えた美しさに圧倒される一方で、「どうやって撮ったんだ?」と思わずにいられない山火事の映像には驚かされる。

ワールドフォーカスらしいアート色の強い映画でした。
東京国際映画祭ではもう一回上映(監督のQA付き!)があり、チケットは未だ残っているようなので、気になる方はぜひ。
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