カタパルトスープレックス

ドリー・ベルを覚えているかい?のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

4.1
エミール・クストリッツァ監督の長編デビュー作です。デビュー作からエミール・クストリッツァ監督節が炸裂。

『アンダーグラウンド』(1995年)や『黒猫・白猫』(1998年)は有名で日本でも観ることができましたが、本作は初めて観ました。

エミール・クストリッツァ監督作品はいろんな特徴がありますよね。とっ散らかって雑然と話が進むんだけど、そのうち一本の筋が見えてくる。本作でもコミュニティーでダンスバンドを作る会議からはじまって、亭主関白っぽいお父さんが頻繁に家族会議をやったり、ウサギで催眠術を練習する子供がいたり。

それがストリッパーのドリー・ベルを鳩小屋で匿うことで話の筋道が見えてくる。テーマは「成長」なんだろうなあ。サラエボは大きな団地ができて、小さな家から引っ越す家庭が増えている。そして、子供も大人になる。ドリー・ベルはボクには『銀河鉄道999』のメーテルを想起させました。

「私はあなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影」

それにしても、エミール・クストリッツァ監督の作品は音楽がいい。本作のイタリアのオールディーはすごく好き。