miyabi

ドリー・ベルを覚えているかい?のmiyabiのレビュー・感想・評価

3.5
エミール・クストリッツァは確実に私の血に流れている。念願の長編出世作
まずタイトルが良い
肝心のドリー・ベルを巻き込んだエピソードは自分にとっては残酷すぎて、雨のなか泣いてないよの強がりもシーンとしてはとても美しいけれど、辛い。
舞台となる町の地形が見渡せるショット、未踏の地ユーゴスラビアのムードが充満した物語が始まる前のオープニングが一番好きだった。クストリッツァはストーリーがしっかりとあるよりも、がちゃがちゃと何かがずっと鳴りながら進んでいく映像がよく似合っていて、そんな画で涙を誘うから凄いなと思う。

時に私は、人間を神様として描かない映画が好きなんだろうな。天使・女神・絶対的善悪を表して人間を尊ぶ事よりも 人間の愚かさと刹那を、単純だけど複雑で纏まり切れない部分を見せてくれる事を期待している。勿論、その真逆に徹底した映画も尊敬の眼差しを送っているけれど。
映画で得た喜びを暮らしに還元しよう。
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